日経平均は9月下旬以降再び下落する懸念がある それでも中期での日本株の魅力は変わらない

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年初から7月11日までの日経平均株価は、1ドル=161円台までの円安ドル高に支えられて上昇してきた。だが同日には日本の通貨当局が、アメリカの労働省が発表する6月の消費者物価指数(CPI)に合わせ介入したとの観測などから一気に円高が進んだ。

さらに8月2日公表の7月雇用統計などの景気指標から、同国景気の先行きに対する警戒も高まった。8月23日にはワイオミング州ジャクソンホール会議でのジェローム・パウエルFRB議長の発言で、今回(9月17~18日)開催のFOMC(連邦公開市場委員会)での利下げ開始も決定的になっていた。

このときのパウエル議長の発言からは、今後の主要な政策テーマからインフレは外れたこと、9月の利下げ開始が濃厚で、かつ大幅利下げの可能性にも含みがあることなどが読み取れた。深読みすると、相当労働市場が気になっており、経済の減速を何が何でも、利下げで止め、予防すると示唆しているようにも思えた。

日銀の利上げ姿勢は不変で円高が一段と進む可能性も

実際、18日のFOMCでは0.5%の大幅利下げとなった。もっとも、合わせて明らかにされたメンバーの政策金利見通し(ドットチャート)やパウエル議長の「利下げを急がない」との発言などから、さらなるドル安は回避されたが、今後、日米金利差が一段と縮小すれば為替は再び円高方向へと進み、日本株に逆風となりそうだ。

一方、日銀は9月19~20日の金融政策決定会合で金融政策の据え置きを決めた。

前回(7月30~31日)の会合では、賃金の上昇などで物価と景気の見通しがなお上向きにあると判断したため、従来0~0.1%としている政策金利を0.25%に引き上げ、あわせて国債買い入れ減額を月額6兆円程度から2026年1~3月に月3兆円程度までに半減させる計画も発表、日本経済は「金利ある世界」に一段と踏み込んだ。

今回、日銀は市場の予想どおり、金融政策の据え置きを決めた。日銀正副総裁の8月末以降の発言①当面は市場を注視していく、②基本的に利上げ姿勢の維持、に準じるものだった。なお、今回の記者会見後に円安に若干振れたのは、「(円安懸念が後退し)時間的余裕ができた」という発言を利上げ後退と市場は受け止めたようだ。

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