「アメリカだけに頼れない」韓国で広がる核武装論 日韓同時の核武装を訴える書籍が日本でも出版

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鄭旭湜氏の主張は、韓国軍はすでに日本の自衛隊を抑えて世界6位の軍事力を保有するに至っていることは、すでに十分に北朝鮮に対する抑止力が朝鮮半島にはあるということだと示す。

一方、核武装を唱える前出の鄭成長氏は「第6位の軍事力を持つのに、それだけでは北朝鮮の核を防げない」という認識だ。

日本はどうする?

世論調査での支持があっても、実際に韓国が独自の核武装に踏み切るかは未知数だ。韓国でこのような議論が出ている中でも、北朝鮮はますます自国の核武力の充実を止めない。

日本ではこれまで間欠泉のように核武装論が出てきたことがあった。核共有(シェアリング)についても、安倍晋三、菅義偉政権時に出たが、日本では非現実的な議論だと政界では結論づけられたようだ。

日本はアメリカとの軍事分野での同盟を強化する一方だが、その脅威の根源とする北朝鮮と相対しようとはしない。日本とアメリカに新しい指導者が登場しようとする中、東アジアの安全保障は緊張状態を続けている。

福田 恵介 東洋経済 解説部コラムニスト

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ふくだ けいすけ / Keisuke Fukuda

1968年長崎県生まれ。神戸市外国語大学外国語学部ロシア学科卒。毎日新聞記者を経て、1992年東洋経済新報社入社。1999年から1年間、韓国・延世大学留学。著書に『図解 金正日と北朝鮮問題』(東洋経済新報社)、訳書に『金正恩の「決断」を読み解く』(彩流社)、『朝鮮半島のいちばん長い日』『サムスン電子』『サムスンCEO』『李健煕(イ・ゴンヒ)―サムスンの孤独な帝王』『アン・チョルス 経営の原則』(すべて、東洋経済新報社)など。

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