そばだけではちょっと物足りなさそうだし、もう一品つけよう。物色しながら歩いていると、やはり人気なのはフードコートの雄であるうどんとラーメン。
東京の顔として、東京のさまざまな地名を背負う店が多い中、博多ラーメンと讃岐うどんが人気ツートップというのはやや皮肉である。
豊洲 千客万来で「インバウン丼」として1杯2万円弱もする超高級海鮮丼を出している「築地海鮮虎杖」はやや苦戦気味。同じ東京の地名を冠した店でも、格差を感じる。「築地」を背負う同士、銀だこと比較してもやや寂しい光景だった。
その他、賑わっていたのは南国酒家。細切りした豚肉のあんかけを乗せたチャーハン「ルースー飯」が目に留まり、外から鍋を振っているのが見える点も気に入って行列に並ぶ。
しかし、どうも行列は「人気だから」ということではなく、単にオペレーションの問題らしい。先客は5人ほどだったのだが、注文するまでそこそこ待った。
以前、別のフードコートでラーメン→ステーキの順で注文し、ステーキがいつまでたっても来ずにラーメンの麺が伸びないか、落ち着かなかったことを思い出す。
まあでも、今回はせいろそばなので、その心配はない。フードコートも一種のテーマパークである、そんな気持ちで行列を気長に待とう。
麻布のそば、原宿のチャーハンをともに味わう
注文まで時間はかかったが、到着までは比較的早かった。麻布十番のそば、原宿のチャーハンがここに相まみえる。とはいえ麻布十番とそば、原宿とチャーハン、それぞれが結び付いているイメージは特にない。
まあ、それをいえばそもそも銀だこだって築地とそんなに関係ない。ただ、地名が付くだけでその店が美味しそうになる現象は、確かにある。「そば 松玄」より「麻布十番 そば 松玄」の方が格式高く感じるのは、私が田舎者だからだろうか。一方の「南国酒家 原宿麺飯房」は南国と原宿が渋滞しているが、やはり何となく美味しそうな気配のする字面である。
さて、麺が乾くともったいないので、鴨せいろからいただこう。そばはまあ普通で、特にとがった特徴はないように思える。一方、つゆは結構パンチが効いている。ネギの香りも結構して、後は何より具の鴨肉が分厚い。それが4枚も入っており、一口食べると柔らかい。鴨はどうも固めの肉というイメージもあるが、これはかなり美味しい。
ルースー飯は、あんが甘め。米は固めの炊き加減で、あんと合わせると粒立ちがうれしい。やはり、米の炊き加減は固めに限る。
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