東大生が自然とやってる「要するに」という考え方 抽象度が高い子は、俯瞰的に物事が見える

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では、次に気になるのは「抽象度を引き上げるためにはどうしたらいいか」ということです。

そのためには、次のような問いかけ言葉を子どもに使ってみてください。

「要するにどういうこと?」

人は「要するにどういうこと?」と問われると、枝葉をそぎ落として、幹だけを選択するようになります。つまり、まとめる作業を自動的に行うようになります。

先ほどの犬の例で言えば、「チワワって要するに何?」と問われれば、「犬」となります。「犬って要するに何?」と問われれば、「哺乳類」となりますね。つまり、「要するに?」と問われると抽象度は自然と上がっていきます。

できる子は、自分で「要するに何?」とまとめることを“自動的”にやっています。文章を読んでも、「要するに何を言っているの、この文章は?」とか、数学の問題をやっていても、「要するにどういうこと?」「要するにどういうパターン?」と自問自答を無意識にしています。

雑談の中でマジックワードを織り交ぜる

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木村さんのお子さんは中学生なので、親が子どもに勉強を教えることは容易ではないと思います。ですから、日常生活の中での雑談の中で、このマジックワードを織り交ぜることをお勧めします。すると、頭脳は「考えるモード」に切り替わっていきます。または、この記事を子どもに紹介してもらってもいいですし、次のようなことを子どもに教えて伝えてみるのも効果的です。

「勉強しているときに『要するにどういうこと?』『簡単に言うとどういうこと?』『コツは何?』と自問自答すると、大切な部分(ポイント)が見えてくるみたいよ。ポイント(幹)がつかめると、その他の部分(枝葉)も理解できるようになるようだから、試してみるのもいいかもよ」

実践するかどうかわかりませんが、少なくとも、子どもの頭には、「要するに」という言葉が残ると思います。もしそれが機能すれば、これまでとはまったく異なる“景色”が見えてくることに子どもは驚くと思います。

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石田 勝紀 教育デザインラボ代表理事、教育評論家

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いしだ かつのり / Katsunori Ishida

1968年横浜生まれ。20歳で起業し、学習塾を創業。4000人以上の生徒に直接指導。講演会やセミナーを含め、5万人以上を指導。現在は「日本から 勉強が嫌いな子を1人残らずなくしたい」と、Mama Cafe、執筆、講演を精力的に行う。国際経営学修士(MBA)、教育学修士。著書に『子ども手帳』『子どもを叱り続ける人が知らない「5つの原則」』、『子どもの自己肯定感を高める10の魔法のことば』ほか多数。

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