東大生が自然とやってる「要するに」という考え方 抽象度が高い子は、俯瞰的に物事が見える

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「疑問を持つ力」を引き出すための問いかけ言葉は前回解説したので、今回は2つ目の「まとめる力」についてお話しします。

「まとめる」という言葉を別の言葉で表現すると「抽象度を上げる」になります。

抽象的、具体的という言葉があります。抽象とは簡単に言えば「ざっくり言うとこういう感じ」というものであり、具体とは「はっきりとしていてわかりやすいもの」というイメージです。

そこで「抽象度が上がる」とはどのようなことか、わかりやすくするために、次のような例え話をします。

見る視点によって、人は判断や認識が変わる

例えば、山田さんがチワワを飼っていました。石川さんもチワワを飼っていました。山田さんのチワワも石川さんのチワワも具体的ですね。具体的な世界というのは比較、争いが起こります。山田さんはこういいます。「石川さんのチワワは耳大きすぎない? うちのチワワのほうが断然可愛いわ〜」。しかし、山田さんのチワワも石川さんのチワワも、「チワワ」というカテゴリーに入っています。つまり同じですね(具体的世界は、違いばかりが目につくため、いじめ、差別が起こりやすい世界です)。

すると今度は、内田さんのトイプードルが登場します。すると今度はまた比較、争いが起こります。内田さんは「チワワなんてうるさい犬よく飼うわね〜。うちのトイプは全然吠えないし、お人形さんみたいで可愛いわ〜」と。しかし、チワワもトイプードルも一段上に上がって見れば「小型犬」というカテゴリーです。同じ部類になります。同じということがわかれば、争いは起こりません。

するとさらに、今度は木村さんのゴールデンレトリバーが登場します。すると、また比較すると争いが起こります。トイプの内田さんは「よくあんな大きな犬飼うわね〜。餌代かかるし、信じられない」と。しかし、トイプもゴールデンも一段上に上がって見れば、「犬」というカテゴリーになります。同じ部類です。

このように、「チワワ→小型犬→犬→哺乳類→脊椎動物→動物→生物」と上がっていくことを「抽象度が上がる」といいます。どの視点から見るかによって、人は判断や認識が変わってきます。

これを、算数に当てはめてみましょう。問題集1ページに10問の問題があったとします。抽象度の低い子は、すべて10問とも別々の問題と思っています。「これは、分数が出ている。これは小数があって、この問題は分数と小数があって」と。しかし、抽象度の高い子は、これらすべて10問の問題は“同じ”であることが見えています。ただ、違いも認識できています。この問題は分数、この問題は小数という表面的に形が違っているけど、「やっていることは同じ」であると“見えて”いるのです。

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