「マジモバ」でドン・キホーテが示す格安SIMの個性 異業種コラボで市場は新たな展開を見せている

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使い放題のWi-Fiルーターも提供する(筆者撮影)

興味深いのは、「最驚プラン」と「最驚Wi-Fi」ユーザーの特典として提供される「#今月のおごり」だ。

この特典は、電子マネー「majica」のアプリを通じて、店頭で引き換えられるクーポンとして提供される。ドン・キホーテのマスコット「ドンペン」、アピタ・ピアゴの「アピタン」、そしてプライベートブランド「情熱価格」を代表する「ド情ちゃん」が、テーマに合わせた商品を“おごってくれる”という設定で、ユーザーはこれら3種類の中から1つを選んで無料で受け取ることができる。

具体的な商品例としては、「ドンペンのおごり」ではドン・キホーテらしいバラエティ感のある商品、「アピタンのおごり」では日用品や生活密着型の商品、「ド情ちゃんのおごり」では「情熱価格」の人気商品が提供される。PPIHは、この新サービスを通じて顧客との接点を増やし、既存の小売事業とのシナジーを狙う。

契約者特典の「#今月のおごり」では、毎月店舗の商品をプレゼントする(筆者撮影)

サービスの申し込みは2024年9月13日からウェブサイトで開始される。実店舗での展開については、MEGAドン・キホーテ三郷店(埼玉県)とMEGAドン・キホーテ成増店(東京都)が先行して9月13日から特設カウンターを設置し、申し込みからサービス開始までの対応を行う。その後、10月7日からは他の一部店舗でも取り扱いを開始する予定だ。PPIHは当面、月間3000件の契約を目標としている。

MEGAドン・キホーテ成増店での店頭販売ブース(筆者撮影)

顧客接点の獲得が主な目的

今回のサービスは、MVNO(Mobile Virtual Network Operator:仮想移動体通信事業者)のサービスとして展開される。MVNOとは、大手携帯キャリアから回線を借り受けて通信サービスを提供する事業者のことを指す。その中でも、大手キャリアよりも安価な料金プランを提供するMVNOのサービスは一般に「格安SIM」と呼ばれている。

PPIHは、MVNO事業者であるエックスモバイルと提携してこのサービスを展開する。ここで重要なのは、PPIHが直接MVNOとして参入するわけではないという点だ。

エックスモバイルが通信サービスの提供や技術面を担当し、PPIHは「マジモバ」というブランド名でサービスを企画し、自社の店舗やウェブサイトで販売する。つまり、PPIHは通信事業者としてではなく、自社顧客向けの新たなサービスとして「マジモバ」を展開するのだ。

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