パナソニック車載電池"脱テスラ依存"の胸算用 国内向けに供給拡大「世界二極体制」で舵取り

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

パナソニックも2170電池の性能向上や4680電池の量産に向けて巨額の開発費を投じてきた。グループで電池事業を担うパナソニック エナジー社の業績を見ると、投資負担の重さがよくわかる。

直近4年間で売上高は1兆円前後ながら、前2023年度の営業利益は約20億円まで落ち込んだ。今2024年度も会社計画の営業利益は220億円にとどまる(いずれもアメリカ政府からの補助金除く)。電池の開発や製造工程の計画には多数の研究者が必要で、そのための人件費や生産設備への投資が大きな負担となってきたからだ。

テスラは自社開発済み

今後のカギを握るのは、最大顧客であるテスラの動向だ。テスラはすでに独自に4680電池の開発に成功。同社が2023年に発売した「サイバートラック」に搭載している。

当初は4680電池の量産に苦戦したものの、今年7月の決算説明会では同社のラース・モラヴィ副社長が「第1四半期(1~3月期)に比べて生産性が大幅に改善、売上原価も飛躍的に減少した」と説明。さらに「現在は1週間にサイバートラック1400台分以上の4680電池を製造できている」(同前)と明らかにした。年換算では約6万台分になる。

ただ、テスラのイーロン・マスクCEOが掲げたサイバートラックの年間の販売台数目標は約25万台。今後さらに生産効率が上がっても、自社だけですべてをまかなうのは難しい。

そのため、どの電池メーカーが足りない分の電池を供給するのかが注目されている。

関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事