再結成「オアシス」チケット価格暴騰問題の真犯人 需要で変動「ダイナミック・プライシング」とは
ニューヨーク大学スタインハルト文化・教育・人間発達学部の音楽ビジネス・プログラムのディレクターであるラリー・ミラーは、どちらの場合でも結果は同じだとインタビューで語った。つまり、ファンは想定より高く支払った、ということだ。
「そのツールが何であったにせよ、行列に何時間も並んだ挙句、提示された価格が宣伝されていた価格と違っていたことに失望したと、大勢の声高なファンをわれわれは見ているわけだ」とミラーは言う。
「いずれにしても価格は高くなったわけで、チケットマスターは、列に並んでいるファンにそのことをもっとうまく伝える必要があった」とミラーは付け加えた。
転売ヤー対策としては業界でも一定の評価
オアシスのチケットを販売するのに使われたかどうかは別として、ダイナミック・プライシングは何年も前からチケットマスターの重要なツールの一部だった。
そして、価格が驚異的な水準になることもあるため批判を浴びることもあるが、「StubHub」や「SeatGeek」といった転売サイトでしばしば露呈する、ファンが最終的に支払ってもいいと思う金額により近い価格設定をすることで、業界ではチケットの売り上げを最大化すると同時に、転売ヤーへの対抗策として受け入れられている。
ダイナミック・プラプライシングによって、多くのファンは搾取されていると感じるが、その大きな影響は不明である。ブルース・スプリングスティーンの最近のツアーでは、何十年もの間、意図的にチケット価格を低く抑えてきたスプリングスティーンが、ダイナミック・プライシングによって一部の座席が5000ドルもの高値になったことで、ファンからまれに見る反感を買った。