「沢田研二」を落ち目と言う人が知らない事実 ドタキャン騒動から3カ月、再び武道館に
2018年に古希を迎えた沢田研二(以下ジュリー)が、同年7月の日本武道館を皮切りにして、半年以上にわたるツアー「OLD GUYS ROCK」を全国各地で開催している。今月はそのクライマックスとして、1月19日から3日間、再び日本武道館に立つ予定だ。
今回のツアーはいろいろな意味で注目されている。まず70歳記念で組まれた大規模な日程。いつものホール公演に加え大会場でのものも含み、その数は60本を超えている。
もう1つは、ジュリー初となる、バンド編成ではなく、ギタリストと2人だけで行う「ロック」コンサート・ツアーである点。その相棒は1980年からの付き合いとなる柴山和彦氏である。前回までの、柴山を含む通称「鉄人バンド」として愛されてきたバンドを解散し、彼だけを残した形だ。これはジュリーが数年前から構想していたものだという。セットらしいセットもなし、マイクとギターと照明だけで進行していくパフォーマンスは、これまでに体験したことのない「新しいもの」だ。
売れ行き不振=落ち目ではない
そして、「注目されてしまった」こともあった。昨年10月17日に予定されていたさいたまスーパーアリーナ公演がチケットの売れ行き不振を理由としてキャンセルされた件が、メディアで大きく取りざたされたのは記憶に新しい。
だが、「売れ行き不振」という言葉から、ジュリーを「落ち目の歌手」と連想するのは早計だ。今回のツアーでは60回以上の公演を行う。しかもそのほとんどの会場が、全国の1000~2000席規模のコンサートホールである。会場には最初と最後の日本武道館、ほかに大阪城ホール、横浜アリーナ、そしてさいたまスーパーアリーナといった大会場での公演も含まれている。ざっと考えただけでも席数は十数万というところだ。
この10年ほどの、少し年齢の近いベテランのロック、ポップス系ミュージシャンの毎年のコンサート本数を見てみると、ジュリーと同じく大規模ホールにこだわってツアーをしているさだまさしは70~80本、山下達郎が50~60本。中島みゆきは同じ会場での連続公演「夜会」なども含むと年平均で20本ぐらいだろうか。アリーナクラスも含むミュージシャンでは浜田省吾が20~30本、小田和正は多い年で50本弱をこなしている。これを鑑みれば、ジュリーがこうしたトップアーティストクラスであることは一目瞭然だ。
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