「沢田研二」を落ち目と言う人が知らない事実

ドタキャン騒動から3カ月、再び武道館に

CDやレコードの売り上げが低迷する昨今、ライブやコンサートでの収入はとても重要なものになっている。一般社団法人コンサートプロモーターズ協会によると、2017年に行われたライブ数は3万1674件と10年前から約2.2倍に増えている。ライブによる売り上げも2017年は約33億2000万円とこちらも10年前の3.2倍の規模に膨らんでいる。

こうした中、多くのミュージシャンはグッズも多数販売するようになっているが、ジュリーのグッズはTシャツやトレーナーくらいしかない。パンフレットも時折作られる程度。彼はあくまでも歌手・パフォーマーであり、彼の「売り」はあくまでも歌と演技なのだ。

すなわち、ジュリーはそうした「歌で勝負している自分にちゃんと金を払ってくれるファン」を獲得しているのである。以前のように、ファン数の拡大増加をもくろんだテレビ出演は行わなくなって久しいにもかかわらずだ。

古希になっても新たな挑戦を続けている

また、今回のツアーを「ギター伴奏だけでのドサ回り」と揶揄する声も聞こえるが、ジュリーはこの編成で何万人もの観客と対峙する覚悟なのである。たった2人で「どれだけロックできるか」という勇気ある試みであり、新たな挑戦だ。音楽的にも興行的にもこの編成への答えはこれから出していくことになるだろうが、古希になってなお、未知の分野に切り込めるアーティストはそういないだろう。

くだんの「ドタキャン」について、所属事務所は「契約上の問題」があったとして、詳しいことを明らかにしていない。直後にジュリーも囲み取材に応じ、「事前に聞いていたよりもチケットが売れていなかったことがわかった」と説明した。

こうした中、ジュリーを「プロではない」と批判する声があったが、プロの仕事をしていないのはチケット販売に携わっていた面々ではないだろうか。売れ行きが芳しくなかったら、割引券や招待券を用意して、少なくとも舞台に立つ者が不快にならない程度に客席を埋めるやり方もあっただろう。こうしたことは、ほかのアーティストのコンサートでも当たり前に行われているといっていい。

3日間の武道館公演について、「また売れていない」だの「またドタキャンか」だのと騒ぎ立てる声がある。運営側は前回の反省を生かして、ジュリーが気持ちよく歌えるように準備をしていてほしいものだ。

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