「中身のない感想」ばかり言う人に共通、残念な特徴 「どう思った?」が苦手なのは言語化力不足の証

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「先ほど説明いただいた事例、とても面白かったです。あのような有名人やタレントさんの話題が出てくると楽しいですね」

私はこのような返答を少しばかり「残念」と思っています。なぜかというと、この人物は自分がどう理解したかを説明しているのではなく、ただの感想を述べているだけだからです。

「どう思いましたか?」と質問していますから、感想を述べること自体が間違いだとは思いません。しかしこのような人物はおそらく職場でも上司などから「どう思う?」や「キミの考えは?」と質問されたとき、たんなる感想を述べてしまうのだろうと思います。

ビジネスにおいて、「どう思う?」という質問は、ただの感想を求めているのではなく、どう理解したかの言語化を求めていることがほとんどです。にもかかわらず単なる感想に逃げてしまうビジネスパーソンは、(とても厳しいことを申し上げるなら)完全に思考停止してしまっている人物ということになります。

「わかる」とはどういうことか

そこでここからは理解する、つまり「わかる」とはどういうことかを深掘りしてみます。実は私にはとてもシンプルな結論があります。「わかる」とは、「同じ」と「違う」に分けることです。

極端かつシンプルなモデルで説明します。たとえば、あなたは3つの情報(A、B、C)しか持っていないとします。あなたは視覚的あるいは聴覚的に「何か」を認識しました。実はその「何か」は「C」だとします。

まずあなたはその「何か」と「A」を比較し、この2つは違うものだと理解します。次にその「何か」と「B」を比較し、この2つも違うものだと理解します。最後にその「何か」と「C」を比べたとき、あなたはその「何か」を「C」と同じだと理解します。これが、「何か」は「C」だとわかった瞬間です。

これは、頭の外にあるものと中にあるものを比較して、同じものと違うものに分けていく作業と言えます。

「わかる」とは「“分”かる」である。あなたもそんな表現に出会ったことがあるかもしれませんが、それはこのような意味があるのです。

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