「中身のない感想」ばかり言う人に共通、残念な特徴 「どう思った?」が苦手なのは言語化力不足の証

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先ほどご紹介した事例の中で、いわゆる職場の“エース”の発言をご紹介しました。その内容の中に「同じ」という表現が含まれていたことに注目してください。

この人物は研修講師である私の話と自分の知識や経験を比較し、同じものと違うものに分けていく作業をしました。だからあのように自分がどう理解したかを説明することができた、つまり私の話がわかったのです。

言語化力を高める視点

理解するスキル(=言語化するスキル)を高めるためには、つねに「それは何と同じなのか?」という視点を持って世の中を眺めたり、人の話を聞いたりすることが大切です。

たとえば野球選手の大谷翔平選手がアスリートとして大切にしていることを語ったとします。あなたはアスリートでないとしても、大谷選手の話す内容からビジネスに通じる部分(同じ部分)がないかを探してほしいのです。

野球であれビジネスであれ、何か共通して大切なことを大谷選手は語っていないでしょうか。それを見つけることができたとき、あなたは大谷選手の話を、ビジネスパーソンの立場として理解したということなのです。

「それは何と同じか?」をつねに問う。「どう理解したか」を説明できない人、言語化スキルに課題を感じている人にぜひすすめたい習慣です。逆に言えば、ただの感想ばかり述べてしまう人に欠けているのがこの視点です。

もしかすると、今回ご紹介した企業研修での事例において私がした「ここまでの内容についてどう思いましたか?」という質問は適切ではなかったのかもしれません。

「何と同じか?」と考えることを促すためにも、「ここまでの内容をどう理解しましたか?」と問いかけるべきでしょう。

この質問は、私と同様に研修を生業にしている方だけでなく、ビジネスパーソンのみなさまにとっても役に立つ質問です。

部下育成や従業員の思考力強化にも有用でしょうし、採用面接での問いとして使うことで候補者の能力を見極めることにも使えるはず。この問いに対して単なる感想しか返ってこない人は、もしかしたら職場の「エース」には遠い人材かもしれません。うまく使えばあなたにとって魔法の質問になるでしょう。

深沢 真太郎 BMコンサルティング代表取締役、ビジネス数学教育家

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ふかさわ しんたろう / Shintaro Fukasawa

一般社団法人日本ビジネス数学協会代表理事。ビジネス数学を提唱する人材教育のプロフェショナル。公益財団法人日本数学検定協会主催「ビジネス数学検定」1級(AAA)は日本最上位。これまでに指導した人数は、延べ7000人。「ビジネス数学」の第一人者として確固たる地位を築く。企業研修のほか学生やプロスポーツ選手などの教育研修にも登壇。数学的な人材の育成に力を入れている。著書に『「仕事」に使える数学』(ダイヤモンド社)、『数学女子智香が教える 仕事で数字を使うって、こういうことです。』(日本実業出版社)など。2018年には小説家としてデビュー作『論理ガール』(実務教育出版)を上梓。

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