太陽光や風力などの再生可能エネルギーで発電した電力を一時的に蓄える「蓄電システム」。その設置量が中国で急拡大を続けている。
業界団体の中関村儲能産業技術連盟(儲能連盟)の理事長を務める陳海生氏は、8月25日に開催されたフォーラムの席上で、中国における「新型蓄電システム」の設置量が累計100GWh(ギガワット時)を突破したと明らかにした。
新型蓄電システムとは、昔からある揚水式を除く蓄電システムの総称だ。電気化学式、圧縮空気式、溶融塩式など複数の技術があり、現在はリチウムイオン電池を用いた電気化学式が主流になっている。
設備利用率の低さに課題
2024年6月末時点の新型蓄電システムの総設備容量(蓄電能力ベース)は107.86GWhに達し、2023年末に比べて40%増加。その結果、揚水式を含めた蓄電システム全体に占める比率は46.6%と、2023年末の31.6%から15ポイント上昇した。
だが、リチウムイオン電池式の蓄電システムは(技術的な制約から)連続放電時間が短いという欠点があり、既設のシステムでは2~4時間の設備が8割近くを占める。そのため、総設備容量は急速に増えているものの、設備利用率は非常に低い水準なのが実態だ。
この問題を克服するため、蓄電システム業界では圧縮空気方式や(電位差のある2種類の電解液を循環させる)フロー電池式など、より長時間の連続放電が可能な新技術の開発を急いでいる。
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