中国リチウム大手、トルコに電池工場建設の思惑 贛鋒鋰業、トルコ政府主導の再エネ推進に期待

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贛鋒鋰業はリチウムの採掘から電池の生産まで事業分野を拡大している(写真は電池子会社の贛鋒鋰電科技のウェブサイトより)

中国の民営リチウム大手の贛鋒鋰業(ガンフォンリチウム)はトルコに進出し、太陽光発電や風力発電の電力を一時的に蓄える「蓄電システム」向けリチウムイオン電池の現地生産に乗り出す。

同社は8月17日、電池子会社の贛鋒鋰電科技(ガンフォンリエナジー)がトルコの電池メーカーのイギットアクと合弁会社を設立し、総額5億ドル(約738億円)を投じて年間生産能力5GWh(ギガワット時)の電池工場を建設すると発表した。なお、合弁会社の出資比率については明らかにしていない。

蓄電システムに大きな潜在需要

イギットアクのウェブサイトによれば、同社はトルコ最大の鉛蓄電池メーカーであり、輸出やリサイクルも手がけている。一方、贛鋒鋰電科技は固体電解質を用いるリチウム金属電池、液体電解質を用いるEV(電気自動車)向け車載電池、蓄電システム向け電池などの開発に取り組んできた。

財新記者の取材に応じた関係者によれば、贛鋒鋰業がトルコへの進出を決断した背景には、蓄電システム向け電池に対する同国の潜在需要の大きさがある。トルコ政府は再生可能エネルギーの導入を積極的に推進しており、蓄電システム市場の急拡大が見込まれるという。

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