中国リチウム大手、トルコに電池工場建設の思惑 贛鋒鋰業、トルコ政府主導の再エネ推進に期待

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トルコ政府が2022年に策定した「国家エネルギー計画」は、2035年までに太陽光発電の設備容量を2021年の5倍以上に、風力発電を同3倍以上に引き上げる目標を掲げる。それに先立ち、トルコのエネルギー市場監督局は、国内の蓄電システム市場を2021年に自由化した。

孚能科技はトルコのEVメーカーと合弁会社を設立し、車載電池を現地生産している(写真は孚能科技のウェブサイトより)

その一方、トルコ政府は2024年1月に(中国の電池メーカーが得意とする)リン酸鉄系のリチウムイオン電池、電池モジュール、蓄電システムの輸入に30%の関税を課す計画を発表。海外の電池メーカーに対し、トルコへの直接投資を検討するよう促している。

欧州市場への輸出も視野に

トルコでのビジネスチャンスに注目し、現地進出を決断した中国企業は贛鋒鋰業だけではない。電池メーカーの孚能科技(ファラシスエナジー)は、トルコ企業との合弁で車載電池の工場を建設し、2023年3月に稼働させた。億緯鋰能(EVEエナジー)も2024年1月に進出計画を発表した。

本記事は「財新」の提供記事です。この連載の一覧はこちら

トルコは地理的にヨーロッパに近く、EU(欧州連合)と関税同盟を締結している。中国メーカーがトルコに工場を建設すれば、その生産能力をヨーロッパ市場への輸出に振り向けることも可能だ。

孚能科技のトルコ工場は、車載電池のモジュールとパックを年間6GWh生産する能力を持つ。同社はそれをヨーロッパ、中東、アフリカ、南アジアでの市場開拓に活用していく計画だ。

(財新記者:廬羽桐)
※原文の配信は8月19日

財新編集部

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Caixin

2009年設立の財新は中国の経済メディアとして週刊誌やオンライン媒体を展開している。“独立、客観、公正”という原則を掲げた調査報道を行い、報道統制が厳しい中国で、世界を震撼させるスクープを連発。データ景気指数などの情報サービスも手がける。2019年末に東洋経済新報社と提携した。(新型肺炎 中国現地リポート「疫病都市」はこちらで読めます

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