ファーウェイの業績が「米制裁前」の水準を回復 2024年上半期の売上高34%増、純利益1兆円超え

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ファーウェイはアメリカ政府の制裁強化で大打撃を受けたスマホ事業を完全復活させた。写真は2024年4月に発売したフラッグシップ機種「Pura 70 Ultra」(同社ウェブサイトより)

中国の通信機器最大手、華為技術(ファーウェイ)の業績がアメリカ政府の制裁が強化される前の2019年の水準を回復した。

同社は8月29日、2024年上半期(1~6月)の業績の概要を発表。それによれば、上半期の売上高は4175億元(約8兆4610億円)と前年同期比34.3%増加した。上半期の記録としては制裁強化前の2019年の4013億元(約8兆1327億円)を上回り、過去最高だった2020年の4540億元(約9兆2007億円)に次ぐ規模だ。

2024年上半期の純利益率は13.2%と、前年同期より1.8ポイント低下した。とはいえ、売上高の大幅増を背景に純利益の金額は増えている。ファーウェイは具体的な数字を開示していないが、計算上は551億元(約1兆1167億円)となり、上半期として初めて500億元(約1兆133億円)を突破した。

(訳注:ファーウェイは非上場企業であり、2024年上半期の業績数値は売上高と前年同期比の増加率、純利益率だけを開示した)

スマホ事業が完全復活

「グループ全体の経営状況は期待通りだった」。ファーウェイの輪番董事長(訳注:交代制の会長職で、任期は6カ月)を務める徐直軍氏は、上半期の業績についてそうコメントした。

同社の業績回復を牽引したのは、(アメリカ政府の制裁により一時は大幅に縮小した)スマートフォン事業の完全復活だ。

2023年8月、心臓部に自社設計の高性能半導体を搭載したハイエンドスマホ「Mate 60シリーズ」を発売したのを皮切りに、同年9月に折り畳み式の「Mate X5」、12月に若者向けの「Nova 12」を投入。2024年4月には以前の「Pシリーズ」を改名したハイエンドスマホ「Pura 70シリーズ」を発売し、制裁前の「ダブルハイエンド戦略」に復帰を果たした。

(訳注:ファーウェイのダブルハイエンド戦略に関しては『ファーウェイ、スマホ事業が「正常化」の意味深長』を参照)

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