ロールス・ロイス、ユーザー層若返りのロジック 高級SUV「カリナン」から始まるブランド戦略
同時に本国で発表された、より高性能な「ブラックバッジ・カリナン・シリーズⅡ」も、若々しいテイストを持つ層からおおいに歓迎されているという。
カリナンからロールス・ロイスが変わったと聞いて、筆者が思い起こすのは、カリナン・シリーズⅠだ。米ワイオミング州の高級リゾート、ジャクスンホールを舞台にした、ジャーナリスト向け試乗会に参加したとき、ユニークなバッスルスタイルを持つ、このSUVのデザインテーマについて、担当デザイナーにインタビューを行った。
「審美性というより、独自性の高いデザインですよね」と筆者が感想を告げると、「それが狙いです」との答えが返ってきた。一目でロールス・ロイスとわかること。それがもっとも重要なテーマなのです、と歳若き英国人デザイナーは言った。
新たに登場したカリナン・シリーズⅡ
実際に、カリナン・シリーズⅡも、独特といえば独特のフロントマスクで、これに較べるとシリーズⅠはかなりオーソドックスなロールス・ロイス顔をしていると思えるほど。シリーズⅡは、それでも、新しいし、見ていると購買欲をかき立てるカタチといえる。
「ロールス・ロイスを自分のガレージに持っていることがファッショナブルだと考えている若い世代は、本当にこれでもかというぐらい存在感が出る外板色とか内装色を選んでいます」とニッケイン氏。
カリナン・シリーズⅡは、変わっていくラグジュアリーの世界観に対応し、クライアントの使い方を反映したもの、とデザインの意図を聞いたことがある。「初代カリナンの独創的なフォルムに存在感と華やかさを加えた」とは、ロールス・ロイスのデザインディレクター、アンダース・ウォーミング氏の言葉だ。
いい例が東京でお披露目されたカリナン・シリーズⅡの仕様。縞模様のブラウンマーブルからインスピレーションを得たという「エンペラドール・トリュフ」というグレーブラウンの車体色が新鮮だった。室内では、カシミヤ・グレー、シャルトリューズ、シヴァロ・グレーを組み合わせたシートが目をひく。
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