ヒョンデとBYD「6車種のデザイン」本当のところ 2つの「アジアンブランド」大きく違う方向性

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ヒョンデの横長ディスプレイは、アイオニック5が平面なのに対し、ネッソとコナはセンターが少しドライバー側にチルトしている。ネッソはインパネ中央から伸びるセンターコンソールが高めで、スロープしていることも特徴だ。

モダンなリビングのようなアイオニック5のインテリア(筆者撮影)
モダンなリビングのようなアイオニック5のインテリア(筆者撮影)
ワイドなセンターコンソールが存在感を放つネッソのインテリア(写真:Hyundai)
ワイドなセンターコンソールが存在感を放つネッソのインテリア(写真:Hyundai)

逆にアイオニック5は、インパネとセンターコンソールを離すことで、EVならではのフラットなフロアを強調。また、インパネだけでなくドアトリムも水平基調になっていて、サブブランドならではのこだわりを感じる。

BYDの3車種でもっとも個性的なのはATTO3で、スポーツジムをイメージしたというエアコンルーバーやドアグリップ、ギターの弦を思わせるドアポケットのサポートなど、エクステリアとは対照的にアクが強めだ。

ATTO3のインテリアは、控えめな外観と対照的に攻めたデザイン(写真:ビーワイディージャパン)
ATTO3のインテリアは、控えめな外観と対照的に攻めたデザイン(写真:ビーワイディージャパン)

海洋シリーズのドルフィンは、波をモチーフにしたエアコンルーバー、イルカのヒレにヒントを得たというドアオープナーなど、ATTO3ほどではないが独自性が強い。その点シールは、センターコンソールなどが有機的な造形であるものの、上級車種ということもあって主張は控えめだ。

ドルフィンのインテリア。曲線的なインストルメントパネルはBYDに共通する(筆者撮影)
ドルフィンのインテリア。曲線的なインストルメントパネルはBYDに共通する(筆者撮影)
シールの室内はフラッグシップらしくシックな装い(筆者撮影)
シールの室内はフラッグシップらしくシックな装い(筆者撮影)

キャビンの広さは、ボディサイズも近いコナとドルフィンが同等で、ATTO3は少し広め。残りの3台は、身長170cmの自分なら足が組めるほど広い。とりわけ、後席もスライドとリクライニング可能なアイオニック5のスペースは圧倒的で、EVのパッケージングをフルに生かしていると思えた。

販売台数の差は販売網の差だけではないはず

全体的に見ると、ヒョンデは外観、BYDは内装で個性を打ち出しているが、BYDのドルフィンとシールは主張が抑えめであり、より多くの日本人に受け入れられやすいデザインであると感じている。

日本自動車輸入組合(JAIA)が発表した2024年1~7月の新車乗用車登録台数を見ると、ヒョンデが382台、BYDが1187台と明確な差がついている。

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ヒョンデがオンライン販売、BYDは実店舗販売という販売方法の違いや、有名人を起用したプロモーションの効果もあるだろうが、デザインの方向性の違いもこの数字に関係しているのではないかと思っている。

ヒョンデとBYD、それぞれのデザインについて、皆さんはどう思われるだろうか?

【写真】どの形が好き?ヒョンデとBYDのEV「6車種」を改めて見てみよう
森口 将之 モビリティジャーナリスト

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もりぐち まさゆき / Masayuki Moriguchi

1962年生まれ。モビリティジャーナリスト。移動や都市という視点から自動車や公共交通を取材。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。著書に『富山から拡がる交通革命』(交通新聞社新書)。

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