欧州委、中国製EVへの「追加関税率」最終案を発表 EU加盟国の投票を経て、10月末にも適用開始へ

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中国政府は、欧州委の追加関税は中国製EVを不当に差別するものであるとし、EVメーカーや業界団体とともに強い懸念と反対を表明してきた。だが、欧州委はほとんど耳を貸さなかった。

追加関税に対する中国の抗議に、欧州委員会はほとんど耳を貸さなかった。写真は同委員会のフォンデアライエン委員長(欧州委のウェブサイトより)

EUの規定によれば、加盟国の投票において「適格過半数」が反対した場合には、追加関税の適用は否決される。適格過半数を満たす条件は、加盟27カ国のうち15カ国以上が反対票を投じ、なおかつそれらの国々の人口がEU総人口の65%以上を占めることだ。

理論的には、中国はEU加盟国を説得して追加関税の否決を目指すことができる。とはいえ現実には「適格過半数を確保するのは極めて難しい」と、中国の専門家は指摘する。

追加関税の適用前から打撃

追加関税を回避する手段はほかにもある。「中国のEVメーカーが欧州委と協定を結び、EU市場向けの輸出台数および最低価格に制限を設けることで、追加関税の適用が免除される可能性がある」。EUの反補助金調査に詳しい専門家は、財新記者の取材に対してそう指摘した。

EU市場における中国製EVの販売は、追加関税の暫定適用が開始される前から大きな打撃を受けている。

本記事は「財新」の提供記事です。この連載の一覧はこちら

欧盟中国商会(EU中国商工会議所)がヨーロッパのメディアに示したデータによれば、2024年上半期(1~6月)に中国からヨーロッパに輸出されたEVの台数は前年同期比14.6%減少。そのうち6月単月の減少率は30%に達した。

また、市場調査会社のデータフォースによれば、追加関税の暫定適用が始まった7月には、EU域内における中国メーカー製EVの新規登録台数は前月比45%も落ち込んだ。

(財新記者:安麗敏)
※原文の配信は8月21日

財新編集部

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Caixin

2009年設立の財新は中国の経済メディアとして週刊誌やオンライン媒体を展開している。“独立、客観、公正”という原則を掲げた調査報道を行い、報道統制が厳しい中国で、世界を震撼させるスクープを連発。データ景気指数などの情報サービスも手がける。2019年末に東洋経済新報社と提携した。(新型肺炎 中国現地リポート「疫病都市」はこちらで読めます

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