中国シャオミが初公開「EV事業」の業績の見どころ 先発勢を上回る粗利益率、黒字化にはまだ時間

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シャオミのEV事業の第1号モデル「SU7」は、先発メーカーを上回る粗利益率を確保した(写真は同社ウェブサイトより)

中国のスマートフォン大手の小米(シャオミ)は8月21日、2024年4~6月期の決算を発表。その中で、新規参入したEV(電気自動車)事業の業績を初めて開示した。

シャオミは自社開発したスマートEVの第1号モデル「SU7」の納車を4月に開始し、6月末までに2万7300台を販売した。決算報告書によれば、EV事業が大部分を占める「新規事業」セグメントの4~6月期の売上高は63億6900万元(約1305億円)と、総売上高の7.2%を稼ぎ出した。また、同セグメントの調整後純損益は18億元(約369億円)の赤字だった。

2024年の販売目標12万台

注目を集めたのは、新規事業セグメントの4~6月期の粗利益率が15.4%と予想を超える高さだったことだ。EVは大量に搭載する電池のコストがかさむ一方、中国市場ではEVの価格競争が激しい。そのため、多くのメーカーが十分な粗利益率を確保できていないのが実態だ。

例えば、先発の新興EVメーカーである小鵬汽車(シャオペン)の粗利益率は14%(4~6月期)、蔚来汽車(NIO)は同9.2%(1~3月期)にすぎない。シャオミの粗利益率を上回っているのは、理想汽車(リ・オート)の20.6%(1~3月期)とテスラの18.5%(4~6月期)くらいだ。

とはいえシャオミのEV事業の黒字化には、まだ時間がかかりそうだ。同社は2024年の販売目標を12万台としている。しかし光大証券のレポートによれば、シャオミのEV事業が損益分岐点を超えるには年間販売台数が30万~40万台以上に達するとともに、約15%の粗利益率を確保する必要があるという。

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