欧州危機はどこへ向かうのか--欧州大手銀行・経済調査総責任者に聞く

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この数カ月、欧州のクライアントと話をしていると、やはり出てくる質問は、ユーロが数年後も存在しているのか、という質問だ。答えは、置かれている状況によって違う、というもの。

たとえば、ギリシャ国内に資産を持っているギリシャのクライアントの場合、ギリシャがユーロから離脱する懸念を持っているなら、ギリシャから資産を他の国に移すことをお勧めする。しかし、ドイツのクライアントなら、ユーロで資産を持っているのなら、ギリシャがユーロから離脱しても、心配はない。

--そうした視点で、日本の今の財政状況をどう評価しますか?

当社の専門家によると、通貨は円高基調が6カ月から12カ月続くとみているようだ。やはり円に逃避する流れが起きている。日本の実質金利は高く、経常黒字が大きいのがその要因だ。日本銀行も円高を阻止しようとしているが、けっして積極的だとは言えない。

日本も約15年前の金融危機以降、ゆっくりと危機から脱却してきた。不動産や銀行をみていても、欧州が現在抱えている問題は15年前の日本ととてもよく似通っている。日本もゆっくり危機から脱却し、低成長を続けている。欧州もそのような道をたどるのではないか。

山田 徹也 東洋経済 記者

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やまだ てつや / Tetsuya Yamada

島根県出身。毎日新聞社長野支局を経て、東洋経済新報社入社。『金融ビジネス』『週刊東洋経済』各編集部などを経て、2019年1月から東洋経済オンライン編集部に所属。趣味はテニスとスキー、ミステリー、韓国映画、将棋。

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