蠢くゼネコン、復興バブルの足音

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「特に仙台は完全にバブル。水商売のお姉さん方は手が回らず、休む暇もないと悲鳴を上げている」。大震災から半年後の9月、被災地を訪ねたある消費コンサルタントは、その光景に自分の目を疑った。

「ガレキ」「原発」「除染」、 ゼネコンが得られる果実

ところ変わって東京・永田町。

11月21日、11年度第3次補正予算案がやっと成立した。歳出総額は12兆1025億円と、リーマンショック後の09年度第1次補正に次ぐ規模だ。このうち大震災の復興経費は、年金財源への補填をのぞく、9兆2438億円に上る(表参照)。

 


 ここから業界の受注対象になる金額は、ざっと6兆円と推測される。「復興はガレキの片付け、原発補強、土壌汚染処理が三本柱」(水谷敏也・三菱UFJモルガン・スタンレー証券アナリスト)。他の公共工事と違い、復興関連は業者の言い値で支払われる例も目立ち、価格競争に陥るリスクも比較的少ないという。

実際に公共事業は東北地方から動き出している。5月の受注は宮城県が前年同月比78%増、福島県が23%増。東北全体でも6月にはプラスに転じた。

復興事業の三本柱で、最も早く着手されたのがガレキ処理だ。7月から業者の選定が始まり、宮城県の石巻ブロックでは2000億円近い計画が始動。いずれもメインで選ばれたのは鹿島などスーパーゼネコンだった。基本は地元業者優先だが、膨大なガレキを分別し、焼却処理やリサイクル、搬出入まで考えれば、「調整力ある超大手でないと務まらない」(川嶋宏樹・SMBC日興証券アナリスト)。

 

 

 

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