のど自慢大会「新宿のサマソニ」異様な熱気の正体 47回目を迎えた"奇祭"で輝く会社員のプライド

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全力のパフォーマンスを見て、「会社、オフィスっていいなと思った」との声も寄せられている。のど自慢には、企業で働く良さを伝えられる面もあるようだ。

大会を開催する三井不動産は各施設でテナント向けに、子供向けや健康促進、防災関連など、多くのイベントを行っている。その中で、のど自慢を開催するのは新宿三井ビルだけ。重視しているのは、真剣な姿勢で応援することだという。

同社の新宿法人営業室の川田友梨氏はこう語る。「あの舞台で歌うことを目標にしてくださる方もいるので、まじめに考えて、リスペクトを持ってやっている。今は大盛り上がりで、同時配信してほしいとの声もあるが、あくまでテナントのための大会というスタンスでやっていく。文化を壊さないようにしながら、新しいものも取り入れていきたい」。

異様な熱量が生まれる理由

審査員の菅原氏は長寿の秘訣についてこう語った。「47回続く理由が参加してみてわかった。出演者と応援団、関係者、協賛企業、皆が音楽が好きで熱量が高く、皆で続けていこうという一体感が強いからですよ」。

菅原氏が指摘するように、大会の異様な熱量は、同じビルで働く会社員たちが全力でパフォーマンスするからこそ。本気だから、出場者も、観客も一緒に熱くなれるのだ。

47回も続くイベントは、立派な祭り、伝統と言って差し支えないだろう。会社員が輝く音楽の文化として、来年も、再来年も、新宿の夏を彩ってほしいものだ。

田邉 佳介 東洋経済 記者

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たなべ けいすけ / Keisuke Tanabe

2007年入社。流通業界や株式投資雑誌の編集部、モバイル、ネット、メディア、観光・ホテル、食品担当を経て、現在は物流や音楽業界を取材。

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