のど自慢大会「新宿のサマソニ」異様な熱気の正体 47回目を迎えた"奇祭"で輝く会社員のプライド

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年齢層も幅広く、若手から年配社員まで出場していた。令和の新社会人世代にも、大会の魅力はしっかりと刺さっているようだ。

優勝をもぎとったのは、スノーボードウェアに身を包んだ入社2年目の女性(ウィルオブ・コンストラクション社)。冬の女王・広瀬香美の「ロマンスの神様」で会場を魅了した。キレキレのハイトーンながら正確な音程を刻むボーカルで、盛り上げ方もプロ顔負け。サビでは会場全体が「Boy Meets Girl!」の大合唱。すさまじいパフォーマンスだった。

「新宿のサマソニ」の優勝者が歌い上げた「ロマンスの神様」で盛り上がる(記者撮影)

優勝が発表されると、女性は感激のあまりひざから崩れ落ちた。「去年は新卒1年目であやや(松浦亜弥)で出場したけど悔しい思いをして・・・。死ぬほどうれしいです。会社のみんな大好き!ありがとう!!」と喜びを爆発させた。ゲストのchayさんも「本当に素人さんなのかなと耳を疑うようなパフォーマンスでした、もう満点!」と賛辞を送っていた。

決勝に進出すれば社内のヒーロー

ビル竣工当時から続く、歴史あるのど自慢大会。当初はビッグバンドの生演奏で歌う形だったという。入居テナントの交流や親睦が目的で、実際に出場者同士がビル内の食堂で再会し、「のど自慢仲間」として会社の継続的な付き合いに発展するなど、交流も生まれている。

出場する会社内のコミュニケーションを広げる面もある。先輩に誘われて出たら楽しかった、普段の業務で話さない人とも交流できた、といったものだ。決勝に進出すれば一躍社内のヒーローとなり、応援にも力が入る。

決勝当日は、出番が終わった出場者に応援団が駆け寄り、ステージ横で記念写真を撮り、握手し、健闘をたたえる温かな場面が何度も見られた。

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