のど自慢大会「新宿のサマソニ」異様な熱気の正体 47回目を迎えた"奇祭"で輝く会社員のプライド

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一方、三井ホームはモーニング娘。「恋愛レボリューション21」で勝負。息の合ったダンスで黄金期のモー娘を再現し、観客は「超超超 いい感じ!」「ウォウウォ!ウォウウォ!」と声を合わせる。会場が一体となる盛り上がりだった。

出場者を間近でサポートする会社の応援団の存在も大きい。ステージ下で待機し、曲に合わせて合いの手を入れ、拍手をし、うちわを振り回す。

もっとも重要な役目は紙吹雪だ。ステージ下にはシュレッダーで裁断された使用済み「紙吹雪」が大量に用意されている。応援団は曲に合わせてステージに巻き上げていく。応援団の盛り上げ方も、パフォーマンスや会場のテンションに直結している印象だ。

華原朋美と小室哲哉(TK)のコンビ(コネクティ社)による「I'm proud」では、伸びのある歌声を聴かせる一方、応援団はなぜかTKだけに紙吹雪を投げつけ、曲が進むにつれてTKが埋もれていく。そんな様子に会場も大爆笑だった。

シュレッダーの紙吹雪に埋もれるTK(写真前)の後ろで「I'm proud」を歌い上げる様子に、司会者と審査員だけでなく会場が爆笑した(記者撮影)

出場者が漏らした「本音」

会社対抗戦の形式だが、会場は終始、出場者を応援する雰囲気に包まれていた。観客はどの出場者にもエールを送り、一緒に盛り上がる。審査員の菅原剣太氏(エイベックス・ミュージック・クリエイティブ)や、ゲストのchayさん(シンガーソングライター)も拍手をし、うちわを振り、歌っているほどだった。

出場者の背景はさまざまだ。聖飢魔II「地獄の皇太子」で人間離れしたシャウトを披露したデーモン閣下(テクニケーション社)は、「カラオケもいかないし、普段は全然歌わないんです。今年ビルに入居したばかりで、会社に任命されて出ました。世を忍ぶ仮の姿は人事・広報です。同僚もしっかり応援してくれて、社会人の本気っていいですね」と笑顔だった。

大黒摩季「チョット」で迫力あるボーカルを響かせた女性(ベル・データ社)は、「趣味でバンドをやっていて歌っています。チョットはカラオケではよく歌います。ダンスは経験者もいて、皆で1カ月ぐらい練習してきました」と語っていた。

インド料理「ターリー屋」は何と社長が出場。のど自慢に出場したいがために三井ビルに出店し、清水翔太「化粧」で2位の好成績を収めた。

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