以上、2つの例を紹介しましたが、お2人とも英語は必要であるとお考えです。もちろん、英語が全くできなくても、日本で素晴らしい仕事をされている方もいらっしゃいますし、幸福な人生を送っている方もたくさんいます。また、「英語よりもまずは日本語が大切だ」という意見をお持ちの英語教育の学者さんも多数いらっしゃいますし、英語教育に関しては実に様々な意見が世間に渦巻いています。このような中、私は次のような問題意識を持っています。
それでも英語はやったほうがいい!
「現時点だけを考えれば、英語をまったく必要とせずにやっていくことはできるかもしれないが、今の子どもたちが社会に出て第一線で働く10年後、20年後も、果たして今と同様の環境であるのだろうか?」
では、私が考える「英語教育、早期英語教育、留学」についてお話することにしましょう。
これらは少々、説明が必要です。
すべての子どもたちが今後、グローバルな場で活動するとは限りません。もしかしたら英語を一生必要とせずに生きていく人もいることでしょう。また、ICTの発達によって、通訳をスマートフォンが高度にやりのけ、もはやコミュニケーションにおけるツールとしての英語はグローバルな専門的職業を除き不必要になっていく可能性すらありますね。
「しかし」、です。中学、高校の6年間で英語の授業は必修であり、今後小学校でも必修として拡大していくことを考えると、子ども時代に英語を完全に避けて通ることはできませんし、大学入試科目でも英語は必須である大学が大半です。そこで私は子どもたちには次のような話をします。
「英語が今後の人生で必要となるか、ならないかは、今の段階(子どもの段階)で予測はできない。英語は将来、役に立つかもしれず、やっていて損はないだろう。例えば、英語が選択授業であり、英語の代わりに自分の将来につながる授業を選べるのであれば話は別だが、必修である以上、その与えられた授業時間を有効に活用するに越したことはない。活用しなければもったいない」
いちばん良くないのが、「『こんな英語、やったって話せるようにならないし、英語を使わなくても生きていける』と子どものときに決めつけてしまう」ことです。この決めつけをすると、脳は英語を受け入れなくなるため、英語の時間は苦痛、退屈、無駄な時間となっていくのです。
ですから家庭では、このような考え方をさせずに、与えられた時間を有効活用することを教えてあげるとよいでしょう。普通にやるべきことをやっていれば、英語はそれなりに基礎ができます。その後、さらにレベルの高い英語力を身に着けなくてはならないときに、その基礎が威力を発揮します。
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