祖父母が知らぬ「赤ちゃんの最新アレルギー対策」 昔とは全然違う「スキンケア・離乳食」新常識

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国立成育医療研究センターを中心とした研究チームによって118人の新生児を対象に実施され、2014年に堀向健太氏(現・東京慈恵会医科大学)、森田久美子氏(現・東京都立小児総合医療センター)らによって国際誌に論文発表された研究では、新生児期から皮膚に保湿剤を塗ることで、アトピー性皮膚炎の発症リスクが3割以上低下することが示された。

また、世界各地の研究から、乳幼児期にアトピー性皮膚炎を発症した子供は、食物アレルギーなど他のアレルギーを発症するリスクも高くなりがちだと知られていた。つまり、皮膚の保湿を通じて、間接的にさまざまなアレルギー疾患の発症を予防できる可能性もあるということだ。

食物アレルギーは皮膚を通じて始まる?

では、肌の保湿はどのようなしくみでアレルギー予防にかかわっているのだろうか。

アメリカの医療人類学者、テリーサ・マクフェイル氏は、アレルギー専門医や基礎研究者らへの取材を精力的に行い、その成果を『アレルギー:私たちの体は世界の激変についていけない』(東洋経済新報社)にまとめている。

彼女が同書の中で紹介している「上皮バリア仮説」は、皮膚アレルギー、食物アレルギー、呼吸器アレルギーなど、さまざまなアレルギーどうしのかかわりを解明する手がかりとして注目されているものだ。

上皮バリア仮説は2017年、大学院の博士課程を終えたばかりだったキャスリン(ケイト)・L・ポトーベン氏と、先述の書籍『アレルギー』に登場する研究者の1人であり、ノースウェスタン大学医学部でアレルギー・免疫学部門長を務めたベテランのロバート・P・シュライマー氏との共著論文で提唱された。

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