「猫を飼い始めたのは6年ほど前。当時の恋人と同棲したのをきっかけに、子育ての練習みたいな……、そんな甘い気持ちで、灰色のアロイを迎えました。
その後茶色のひのきを飼いましたが、結局僕たちは破局。飼い主が別れたからといって、猫を引き離すのはかわいそうだと思って、僕が2匹とも引き取りました。
今となっては、僕のほうが彼らに支えられていると思います。仕事が終わったら、家で明日の仕事の図面を確認して準備した後、猫たちと戯れて一日を終えます。
彼らが家で待っていなかったら、こんな毎日を送れていないかもしれない。昔のように飲んだくれて、3日ぐらい家に帰らないような人間になってしまうのではないかと、自分でも思うんです」
ひとり暮らしは全てが自分の時間であるが故に、なにかに依存してしまうとブレーキが利かない怖さがある。ペットは家主を見守り、生活を整えるきっかけを与える、ひとり暮らしの守り神のような存在なのかもしれない。
猫が支えだという三原さんは、彼らが暮らしやすい環境にも配慮している。
「猫たちはずっと家にいるので、運動不足解消のためにキャットタワーを自作しました。1人と2匹でいろいろなことを乗り越えてきたという実感があって、彼らは相棒みたいな存在。大切にしています」
キャットタワーからは、窓の向こう側に広がる街並みが見渡せるのだろう。猫たちはそこから街を眺めながら、三原さんの帰りを待っている。
理想の環境を、実現できてるとはいえない
いまの暮らしを、三原さんはどう位置づけているのだろうか。また三原さんにとって理想の住まいとはどんな住まいなのだろうか。
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