「看護師辞めて"55歳アイドル"へ」驚きの転身人生 中原さくら「30年間務めたけど…」大胆決断の訳

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そうして2019年に運命の歯車は動き出す。

「縁があって、劇団ひまわりの若手俳優が出ている舞台を見に行ったんです。劇団ひまわりは子役のイメージが強くあったのですが、大人の俳優さんがメインで、演技も殺陣もすごくて感動しました。それで自分も表現したいなっていう熱がいっきに出てきて……」

偶然、子どもの頃に通っていたプールの近くに劇団ひまわりの稽古場があることを思い出し、すぐに検索しオーディションに応募する。

勢いもあっただろうし、子どもの頃の思い出とリンクしたこともあったろう。いずれにせよ、気がつけばオーディション会場にいた。

オーディション内容は伏せるがシニアクラスに合格。劇団ひまわりの養成所に通うことになった。

「まだ看護師として巡回の仕事をしていたので合間にレッスンに通っていました。でもそのうちに少しずつテレビのエキストラのオーディションに行き始めて、最初に決まったのが再現VTRのお仕事です」

エキストラのお仕事とはいえ、未経験者からすればまったくの未知の世界。そして偶然にも当日、制作側の要望で役が変わりセリフまでもらえテレビデビューすることとなる。

アイドルとしてはもちろん俳優としても活動の幅を広げている(写真:尾形文繁)

「運がよかったですね。ほんの一瞬ですが再現VTRでテレビに出て友人たちからも連絡が来たりして俳優のお仕事っていうものを少しだけ実感しました」

「挑戦することに年齢は関係ない」

30代で宝塚に出会い、40代で自らの意思で劇団ひまわりに入り、練習を積み重ねてきた。

30年間続けてきた看護師というキャリアから新たな道へ。

「挑戦することに年齢は関係ない」

年齢関係なく今、中原さくらはまさにチャレンジの真っ最中にある。

この先、彼女の先にはどんな風景が広がっているのか注目していきたい。

松原 大輔 編集者・ライター

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まつばら・だいすけ / Daisuke Matsubara

富山県出身。編集者・ライター・YouTubeプロデューサー。中央大学法学部卒。在学中より故・永谷修氏に師事。大学卒業後、講談社生活文化局にて編集見習いとなる。その後、文藝春秋『Sports Graphic Number』編集部などで編集者・記者を経て、2018年に独立。書籍の企画、編集や執筆活動、YouTubeの動画制作・プロデュース、アーティストマネジメントなどを行っている。

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