実は、狩猟時代のほうが農耕時代より豊かだった? 最近の研究で明らかになる、太古の人間の生活

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サピエンスに未来はあるのか。誰にも予測できることではありませんし、悪い未来を望むものではありませんが、東日本大震災に代表される自然災害、気候変動、コロナパンデミックなどの中で、多くの人がなんとなく不安を感じていることは確かです。

1つには、これらの原因がどう考えても人間活動にあると思わざるを得ないからです。

東日本大震災も原子力発電所の事故があったために、10年以上たっても人が暮らせない地域ができてしまいました。二酸化炭素の排出量の抑制、ウイルスワクチンの開発など、個々の事柄への対処はもちろん必要です。

けれども、科学技術や社会制度などの力だけでの解決は無理です。そのように言い切る根拠をデータで示すことはできません。ここは生きものとしての直観で、基本からの見直しという立場で考えます。

地球でなく「人間」が滅びる

未来を語るとき、地球が危ういとか生きものたちが滅びるといわれることがありますが、危ういのは人間なのです。

地球が太陽の終焉と共に終わりを迎えることはあっても、人間の力で滅びることはありません。太陽は今後50億年は続くとされますので、地球の心配はしなくてよいでしょう。

地球上の生きものたちはどうでしょう。これはわかりませんが、生命システムは46億年の地球の歴史のなかで、40億年間進化をしながら続いてきました。もちろん何度も大絶滅はありましたし、これからもあるでしょうが、その中でも必ず生き残るものがあり、しぶとく続いてきたのが生命システムです。

地球のありようはこれまでも変化を続けてきましたし、今後も変化します。小惑星の衝突もあるでしょう。さまざまな災害はあっても、地球から生きものたちがいなくなることはないだろう。

これまでの生きものの科学が教えてくれるのは、このシステムのロバストネス(頑強性、堅牢性)です。

問題は人間です。生きものとしての人間は、生きる力を退化させ、滅びの道を歩いているように見えます。

危うさの原因は、「人間は生きものであり、自然の一部である」という事実を無視した物語をつくったところにあると思えます。

物語は、自然の操作である農耕から始まり、いつの間にか自然を無視した暮らし方を進歩と呼び、それに絶対の価値を置きました。そこで大事な役割をしたのが科学であり、科学技術です。

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