娯楽施設からソニーまで、相次ぐ震災失業の実態、深刻化する解雇・雇い止め


 労基署はその後、解雇予告の除外を認定。佐藤さんらに解雇予告手当が支払われることはなかった。

旧厚生省が都道府県労働基準局長宛に1988年3月14日に出した通知では、除外認定に際して、「必ず使用者、労働組合、労働者その他の関係者について申請事由を実地に調査のうえ判定すべき」とされている。だが、コロナおよび佐藤さんが働いていた企業のケースでは、従業員への聴取は行われていなかった。

宮城労働局の担当者は、「個別ケースについての言及は差し控えたい」としたうえで、「必要な調査をして心証を得たうえで適切に除外認定をしている」と話す。だが、会社が4月後半から別の場所で操業再開したことを知った佐藤さんは、いまだに割り切れない気持ちでいる。

ソニー仙台TECでも期間社員を雇い止め

大震災をきっかけに、大手企業でも労使紛争が起きている。

「ソニーは被災者の大量解雇を撤回せよ」。こんな横断幕を掲げて雇用の継続を求めているのが、「ソニー仙台テクノロジーセンター」(宮城県多賀城市。以下、仙台TEC)で働いてきたソニー子会社の期間社員たちだ(上写真)。

大震災で仙台TECには高さ2メートルの津波が押し寄せ、機械設備などに被害が発生。延べ床面積の4割強についてソニーは自社での使用を断念した。空いたスペースは「復興パーク」として地元企業に無償で貸し出す方針を明らかにした。

生産縮小に伴い、雇い止めを言い渡されたのが、子会社2社の期間社員119人だった。ソニー側は6月末の雇用期日到来後、3カ月の継続雇用および3カ月の給料に相当する慰労金の支払いと引き換えに雇用の打ち切りを通告したが、「納得できない」と感じた22人が労働組合に加入。現在も17人が雇用継続を求めて団体交渉を続けている。

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