新手のVCは、UberではなくHertzに出資する 冴えないライバル企業に注目

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上場企業と非上場企業の評価額の差が広がるほど、一部の株式は買い手にとって割安になる。そして、評価額の差が投資のねらい目となる機会は増えている。

ここ数年、急成長を遂げているIT系スタートアップに巨額の資金が流れ込んでいる。「ユニコーン」と呼ばれる評価額が推定10億ドルを超える非上場のIT系スタートアップも次々に生まれ、最近は100億ドルを超える「デカコーン」も登場している。

評価額の「差」が意味すること

トップレベルのスタートアップのなかには、同業の上場企業をはるかに上回る評価額がついているところもある。Airbnbの企業としての「値段」はホームアウェイの8倍。配車サービスのウーバーは最近の資金調達ラウンドで推定510億ドルの評価額がついたのに対し、レンタカーのハーツの時価総額は73億ドル。オンラインストレージのドロップボックスの評価額は約100億ドル、ライバルの上場企業ボックスの時価総額は19億ドルだ。

非上場企業の財務情報は公開されていないため、上場企業の時価総額と非上場企業の評価額の妥当性を単純に比較するのは無理がある。

それでも「非上場企業が簡単に資金を調達できる状況が、興味深い機会を生み出している」と、ヘッジファンドの運用実績を調査するヘッジファンド・リサーチのケネス・J・ハインツ社長は言う。「企業価値にそのような差があるということは、基本的に、上場企業の価値が上昇するか、どこかに買収されるだろうと考えるのは合理的だ」

ティモンズとシュヴァイツァーは、2012年にミューチュアルファンドのロード・アベットで働いていたときに知り合った。2013年10月に共同でピア88を設立。社名は、ティモンズの家族の別荘があるウィスコンシン州のジュネーブ湖畔にある桟橋(ピア)にちなんでいる。

現在はサンフランシスコのオフィスビルの5階フロアで、キュービクルで仕切られたスタートアップのエンジニアたちのデスクや、造園技師が残していったシャワーブースと同居している。金融の書籍や企業の年次報告書が並ぶ棚に、スナック菓子の袋がまぎれている。

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