マクドナルド「AI広告の炎上」が示す嫌悪感の正体 「お~いお茶」や「AQUOS」は許されたのに、なぜ?
マクドナルドの動画は、Xに限定して配信していることを考えると、AI広告の反応を見るためのテストマーケティング(実験)的な意味があったと考えられるし、ある程度の批判が来ることは予想していたようにも思える。ただし、ここまで反発を受けるとは考えていなかったのではないだろうか?
古い話になるが、2011年にCGを活用したタレントがテレビCMに登場している。江崎グリコの「アイスの実」のCMにAKB48の“新メンバー”として登場した江口愛実だ。彼女は他の選抜メンバーを従え、いきなりセンターのポジションで出演して、大きな話題となった。
「江口愛実はCGではないか?」という論争は当初から巻き起こっていたが、後日、江崎グリコ社から、江口愛実は他のメンバーの顔のパーツを合成して作られたCGであることが明らかにされた。
このときも、賛否両論の議論が巻き起こったが、最終的には「炎上スレスレの成功事例」とされている。
ただし、いま生成AIを使って同じことをやったら、「炎上」で終わる可能性が高い。世相や人の気持ちをAIで読み解いて、反応を正しく予測することは、現段階ではできていないようだ。
批判されるAI広告の特徴
マクドナルドの動画においても、上記3のAIが表現活動を行うこと、4のAIによってタレントやクリエイターの仕事が奪われることに疑問を抱く声も見られた。
映画レビューサイト「Filmarks」のAIを活用した広告では、ハリウッドで起きているストライキを理由に批判する意見が目立っていた。ハリウッドのストライキでは、AIによって仕事を奪われることを恐れた俳優や脚本家が、AI利用制限を求めていた。
広告表現の是非以前に、映画レビューサイトが、映画業界の仕事を奪いかねないAIを活用して広告を作ることに対して映画ファンの反発を招いたのだった。なお、批判を受けたFilmarksの動画は取り下げになっている。
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