「強い意志」が長続きしないのには"理由"があった 科学的に証明された「我慢は禁物」から言える事

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■3日目:重い気分で朝がスタート。昨日感じた筋肉痛も増しています。ランニングシューズを履くことにすら、心理的な抵抗を感じるようになっています。「何で始めちゃったんだろう?」とため息をつきながら、重い足取りで家を出ます。

走りながら見える風景さえ、この苦痛の感覚と結び付いている感じがしてきます。潜在意識の強烈な抵抗にあいながら、意志の力で踏ん張ります。体と気持ちが重いせいか、10キロが果てしない距離のように感じてきます。

でも、「何事も達成するためには頑張らなくてはいけない」と自分に言い聞かせて、無理して走り続けます。意志の力は、もうあまり残っていません。やがて、倒れ込むように帰宅。これから仕事に向かうパワーが、自分の中から出てくる自信もありません。

■そして、4日目:目覚ましが鳴っているのに、布団の中に居続ける状態。ランニングの習慣化の努力は、虚しく3日で途切れました。

現実的ではない目標は続かない

実は、これはかつての、私自身の失敗体験です。

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そもそも、この目標設定は、頑張り続けないと達成できないハードルの高いものでした。普段ろくに運動もしないような人間が、毎日10キロ走るというのは、現実的ではありません。自分に鞭を打ち、甘えようとする気持ちに打ち勝てる人間でなければ、達成できない目標です。今から思い返しても、無謀な計画でした。そして、私にはよくない思い込みがありました。

そう、「何事も達成するためには頑張らなくてはいけない」という思い込みが。この思い込みゆえに、「相当頑張ってやっと達成できるような目標設定でないと、効果や意味がない」という思い込みも同時に持っていました。だから、毎日1キロではなく、10キロという設定をしたわけです。

習慣化の計画でこれをやってしまうと、潜在意識の抵抗にあって長続きしません。そして、失敗がたび重なると、自己効力感、「できる感」も、どんどん落ちていく結果になり、不用意に自分を責めてしまうことも少なくありません。

三浦 将 人材育成・組織開発コンサルタント/エグゼクティブコーチ

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みうら しょうま / Syoma Miura

英国立シェフィールド大学大学院修了(理学・経営学修士)、大阪府立大学工学部卒。大手広告会社、外資系企業を経て、人材育成コンサルティングや企業研修を行う、株式会社チームダイナミクスを2014年に設立、代表取締役に就任。アドラー心理学やコーチングコミュニケーションを基にした独創的かつ効果的な手法で、リーダーシップ開発、チームビルディング、社内コーチ養成プログラムなどを中心に、企業をサポートしている。著書に『自分を変える習慣力』『相手を変える習慣力』などがある。

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