安河内:確かに。私も慣れるとスピーチはやりやすいと思います。英語ネイティブと1対1で会話するよりも、口調はゆっくりでOKですし。 スピーチ、プレゼンともに、似たようなトピックを話す場合が多いですから、細かいミスに凹んだりせず、どんどん場数を踏むことです。
安河内:日本人がもう1つ苦手なのが、契約交渉もうまくまとまりビジネス的には一件落着して、「さあワインでも飲もう」となったとき。あとは、会社関係者でのパーティとか。そういう場で英語のコミュニケーションをとるのって苦労しませんでした?
留目:しました。今でも苦労しています。ビジネスの会話のほうがむしろできる。パーティで何気ない日常会話をするほうが難しく感じます。
安河内:ビジネスの話は一切せずに、家族や趣味など、他愛のない話をする。Fワードなんかも飛び出たりして、バカ話にも付き合わなければならない。そんな状況をどう切り抜けているんですか?
留目:パーティのカジュアルカンバセーションっていうのは、お互いを知って打ち解けていくのが目的だったりします。ですから、相手の話を聞くだけでなく、自分のことも適度に話したほうがいいと思うんです。I had a business trip to Sydney last month. I love there because ...(先月シドニーに出張に行ったんだけど、シドニー好きなんですよ、なぜなら……)とか、I love golf both playing and watching PGA Tour. I am a big fan of Adam Scott.(ゴルフはやる方も好きだし、PGAツアーを見るのも大好きです。特にアダム・スコットのファンなんですよー)といった感じで、毎回自分のことを話すようにしています。
安河内:自分の周辺の事柄を英語でさらっと話せるようにしておけ、ということですね。
留目:はい、話せたほうがいいです。相手に自分のパーソナリティを伝えることが大事ですから。
安河内:形式的な英語の表現ではなくて、パーソナリティが伝わる英語が肝心だと?
留目:はい。それと、相手の話しに反応を示すことも同じように大切でしょう。面白いことに対しては笑うとか、さらに突っ込んで質問をしてみるとか。結局のところ、ビジネス抜きのパーティの場というようなものは、パーソナリティを交換していく場なんだと思います。
外資系企業で問われる資質とは?
安河内:国際企業のトップのみなさんは、バイスプレジデントまではロボットみたいな人も多かったりしますけど、The CEOって人になると、人柄が魅力的な人が多い。パーソナリティで勝負せよ、というのはさすがグローバル企業の社長さんならではのメッセージだなぁ!
留目:いえいえ。ただ、そのあたりは、外資系の会社のほうがさらに大切なんじゃないかなという気がします。 日本の会社は組織がしっかりしているので、上司に対してそんなに突飛なことを言ったりはしない。海外だとケアリングだとか、360度評価とかをしていって、チームを作り上げていくことがより重要になります。
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