外資系社長が伝授する英語スピーチの心構え 文法の間違いを気にする必要はない

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留目:ええ。韓国人にしろ、中国人にしろ、インド人にしろ、文法的な部分は意外と適当にすっ飛ばしてしゃべったりするというのが、仕事で接しているうちにだいぶわかってきたんです。これも、ノンネイティブの人たちの英語にたくさん触れられたのがよかったのかもしれないです。

安河内:日本人以外の英語ノンネイティブの英語のコミュニケーション術をまねたということですね。

留目:そうですね。たとえばインド人などは、すごい勢いでしゃべってくる人が多かったりするんですが、時勢の一致とか冠詞は意外と適当、なんてこともちょくちょくあります。

ネイティブは文法をそれほど気にしていない

留目真伸(とどめ まさのぶ)/レノボ・ジャパン株式会社 代表取締役社長、NECパーソナルコンピュータ株式会社 代表取締役・執行役員社長。1971年、東京都出身。早稲田大学政治経済学部卒業。総合商社のトーメン(現・豊田通商)、デル国内法人、ファーストリテイリングを経て、2006年にレノボ・ジャパンに入社。今年4月より現職

安河内:確かに。「こんな表現を使ったらネイティブスピーカーが怒る」「あんな表現は失礼」といった類いのことを言う日本人がよくいますけど、ネイティブスピーカーだって、こっちはノンネイティブってわかっているんですよね。無教養な不良外国人みたいな人なら、「何だ、その口の利き方は?」となるのかもしれません。でも私の経験では、教養が高ければ高い人ほど、ノンネイティブの助動詞の使い方などに目くじら立てたりしない気がします。

留目:そうですね。社内、社外問わず、英語はビジネスのツールとして使っているので、誰もが理解できるようなある種の明快さが重要になってきます。

安河内:そう。私が取り引きしているアメリカの会社でも、契約の言葉や数字にはすごく細かくこだわるけれど、話し方がどうだ、メールの文言が失礼だといったことは誰も気にしていないんじゃないかな。重要な部分をしっかり気にするということですね。伝え間違いはよくないけれども、三単元のsがしっかりついているかどうか、時勢がばっちり正しいかどうかなんていうのは、さほどこだわらない。

留目:ええ。逆にこだわりすぎると話せなくなってしまいます。正しい文法をいちいち考えながら、すごくゆっくりしゃべるわけにもいかないですから。ビジネスの英語では、伝えたいことを、とにかくストレートに口にするのがいちばんだと思っています。

直立不動のスピーチはNG

安河内:社長さんだと、スピーチもしょっちゅうするのでは? 最近は安倍総理がいろんなところで英語のスピーチもしていますが、同じように組織のトップになると、人前で話す機会がグンと増えます。しかも、何百人、何千人と規模も大きいでしょ?

留目:はい。最初は緊張しました。

安河内:スピーチには大別して2種類あると思うんです。ひとつは用意した原稿に目を落として無難に読むもの。もうひとつは、身振り手振りをつけながら聴衆を引き付けるようなもの。プロンプターがある場合であれば、後者がやりやすい、というのはあると思いますが。留目さんのスピーチは?

留目:身振り手振りもそうですが、意識して歩き回りながらやるようにしたりしています。社内でやるときもそう。同じ場所に座ったまま・立ったままずっとやる、ということはあまりないです。

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