(第21回)日本型垂直統合と残存する日本型雇用

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次の2点が注目される。まず、高賃金者の賃金は年齢が上がるほど上がり(ただし、50歳代後半以降は例外)、65~69歳でピークになる。また、分散は年齢が上がるほど増大する。

これは、幹部候補生について、徐々に選別が行われていく状況を示している。入社直後の20~24歳では、賃金にはほとんど差がない。30歳をすぎるころから選別の結果が賃金に反映されるようになり、高賃金者の賃金が高い伸び率で上昇していく。それは50歳ごろで頭打ちになる。他方、60歳代になると、高賃金者以外の者の賃金が下落する。さらに、65歳になると、高賃金者の賃金がもう一段上がる。これは、経営幹部への昇進を反映するものであろう。

一方、高専・短大卒と高校卒(図には示していない)は、年齢の経過に伴って大学・大学院卒と相似形の変化を示すものの、賃金上昇率ははるかに低い。また分散も増大しない。興味深いのは、20~24歳の階層では、平均賃金も分散も学歴別にほとんど差がないことだ。また、低賃金者の賃金は、すべての年齢層において、学歴別に差が見られない。

以上で見た賃金序列は、職務上の序列を反映していると考えられる。つまり、入社後、年齢の経過とともに組織の序列を上がり、権限も増大してゆく。そして、65歳以上の高齢者が、組織の方向づけに影響を与える経営陣となる。これは、組織の柔軟性という観点から見て、大きな問題だ。これについても後述する。

企業グループを形成するのはなぜか

前回述べたように、日本の垂直統合は、企業グループによって実現されている。これは、自動車産業に典型的な形で見られる。

アメリカでは、垂直統合は一つの企業の中で実現されるのが普通である。日本では、なぜ一つの企業の中で統合せず、企業グループが形成されるのだろうか。

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