(第21回)日本型垂直統合と残存する日本型雇用

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つまり、「学校を卒業して就職し、退職までその企業にとどまる」という仕組みは変わりなく続いているということだ。労働市場に出されれば、ハローワークの世界になる。あとは、非正規労働の労働市場だけだ。日本で労働市場といえるものは、新卒者を対象としたものしかない。退職後の再就職も、市場を経由するとは限らない。大企業からの場合は、系列子会社への就職がかなり多い。

なお、こうした日本の労働市場の特殊性は、失業率統計を見る際に留意すべきことだ。日本の失業率は4%台であるのに対し、アメリカの失業率は10%近い。だから、「失業問題はアメリカのほうが深刻だ」と思いがちだ。しかし、右のことを考えると、そうもいえない。

日本では、いったん雇用した労働者を容易に解雇できない。そのため、中途採用者の雇用市場が発達せず、そのためさらに解雇が困難になる。企業間の労働移動が困難であるため、企業が過剰雇用を抱え込まざるをえなくなる。したがって、企業内失業者が膨大な数に上る。

特に、高学歴者が動かないことが大きな問題だ。経営者の労働市場は、存在しないに等しい。これがもたらす問題については後述する。

第二に、年功序列賃金体系も変わらない。図は、大学・大学院卒について、賃金分布が年齢別にどのように変化するかを示す(ここに示されているのは、ある時点における異なる年齢の賃金である。ただし、以下では、特定のコーホート〈同一の世代集団〉についての時間的推移を示すものと解釈する)。


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