郵便局「デザイン入り消印」に描かれた高速道路 1万局の風景印を集めたマニア目線の楽しみ方

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左:市川原木郵便局、右:豊田郵便局の風景印(画像:筆者提供)
左:市川原木郵便局、右:豊田郵便局の風景印(画像:筆者提供)

少し脱線するが、愛知県豊田市の豊田郵便局の風景印は、円形ではなく上に少し図案がはみ出している「変形印」だ。飛び出しているのは、クラシカルな乗用車である。

豊田市は、いうまでもなくトヨタ自動車の本拠地であり、日本の自動車産業の歩みを体現した都市でもある。そのため、豊田市内にはほかにも自動車を描いた風景印を持つ郵便局が複数ある。

筆者の「風景印制覇の旅」は続く

なお風景印は、はがき料金以上の切手を貼った台紙や、はがきの料額印面(表の切手にあたる部分)に押印してもらい、記念に持ち帰ることができるし、切手を貼った郵便物などに消印として押してもらい、そのまま有効な郵便物として相手に届けることもできる。

つまり、郵便物として投函しなくても、実質的に“有料”で押印してもらえるともいえる。現在のはがき料金は63円だが、今年10月からは85円へと大幅な値上げが予定されているので、集めようと思う人は注意が必要だ。

まだ、完全制覇を終えていない(なぜなら毎年新たに風景印が設置されたり、図案が変わったりする郵便局が一定数あるので)筆者としても、財布に厳しい値上げとなるだろう。それでも、全局コンプリートするまで、高速道路を走りながらの風景印制覇の旅は続けたい。

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ちなみに、金沢市の金沢駅内郵便局のように、駅の構内に郵便局が入っていたり、千葉県の江見駅郵便局(鴨川市)や安房勝山駅郵便局(鋸南町)など駅との合築になっている郵便局も登場しつつあるが、今のところ、サービスエリア・パーキングエリアに郵便局が設置されたケースはない。

サービスエリアの多種多様な店舗やサービスの拡充の流れが続けば、もしかしたら「○○サービスエリア内郵便局」が出現するかもしれない。風景印マニア、高速道路マニアとして、ひそかに楽しみにしている。

【写真】記事中で取り上げた風景印のデザインを大きく見る
佐滝 剛弘 城西国際大学教授

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さたき よしひろ / Yoshihiro Sataki

1960年愛知県生まれ。東京大学教養学部教養学科(人文地理)卒業。NHK勤務を経て、高崎経済大学特任教授、京都光華女子大学教授を歴任し、現職。『旅する前の「世界遺産」』(文春新書)、『郵便局を訪ねて1万局』(光文社新書)、『日本のシルクロード――富岡製糸場と絹産業遺産群』(中公新書ラクレ)など。2019年7月に『観光公害』(祥伝社新書)を上梓。

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