親が子どもに巻き込まれる場面は多々あります。これは第1次反抗期から中間反抗期では特にそうです。子どもはまだ自分の感情をコントロールすることはできず、本能のおもむくままに行動と発言を繰り返すことが少なくありません。そのとき親が、子ども視点ではなく、大人視点で対応してしまうとイライラが発生し、子どもには通じない理屈や力技で子どもに言うことを聞かせようとします。しかし、大抵は、子どもの猛烈な反発にあい、失敗に終わります。このような日々が一定期間続くと「親のイライラ期」に入ります。
子どもが反抗するということは、そもそも先に親が何か言ったり、やったりしなければ、子どもは反抗のしようがないということです。
保護者から受ける相談の多くは、「子どもが反抗する場面」から話が始まります。子どもの反抗の前に“何か”があるわけです。では、その何かはなぜ起こるでしょうか。
第2次反抗期は親も大変な時期
子どもが第2次反抗期と言われる年齢帯はちょうど親も大変な時期です。子どもを育てて10年以上がたち、子どもの学校の勉強は難しくなり、テストの点数が気になり、成績なるものが出され、部活や受験や進路を考え、「もう○歳なんだからこれくらいできて当たり前」という考えも芽生えます。子どもがスマホを持つ時期でもあり、ゲームや動画視聴などの管理をどうするかも気になります。このように親として子どもに求めることがかなり増えてきます。一方、親も日常の家事に加え、フルタイムの仕事をしていれば、管理職として仕事場でも責任とプレッシャーの中で働いているかもしれません。つまり、親がイライラ期に入っている可能性が高いのです。
大内さんのケースはおそらく(2)のケースだと考えられます。ではどうすればいいでしょうか。
一般には、子どもが反抗期に入ったら、親は「子どもの話をよく聞く、否定しない、すぐに怒らない、子どもを信頼する、見守る」ことが大切と言われますが、それができれば誰も苦労はしません。ましてや、それができないイライラ期に入っているのですから、いきなりそのような対応はできないと思います。
まずは「子どもの話をよく聞く、否定しない、すぐに怒らない、子どもを信頼する、見守る」ことができる親の心理状態を作らなければ、いくら努力してそのような振る舞いをしても、すぐに元に戻ってしまいます。
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