子どもの反抗期、実は「親のイライラ期」の可能性 近道は「親が自分の今の状態を理解すること」

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(4)子どもは自分の気持ちを表現する適切な言葉を知らないし、正確に表現もできない

子どもは、大人ほどボキャブラリーが豊富ではありません。ですから、自分の気持ちを適切な言葉を使って表現することができません。例えばネガティブな状態を表現する場合、「やりたくない」「嫌い」と使用頻度の高い言葉を使って表現するのみです。その背景に自分が置かれた事情があっても、それを正確に表現することもできません。すると親が問い詰めていくことになりますが、そのとき質問をするのではなく、怒り口調で問うため、子どもは心を閉ざしていきます。子どもの口から出てきた言葉は、本音ではない可能性もあることを知っておくといいと思います。

(5)子どもは親のやっていることをよく見ているし、話もよく聞いている

子どもは親のやっていることをよく見ていますし、言葉もよく聞いています。例えば、手いたずらばかりしていて話を聞いていない子に「話をしっかり聞きなさい!」と怒る人がいますが、実は子どもはよく“聞いて”います。聞いてはいますが、親が子どもに「指示・命令・脅迫・説得」構文で話した内容は受け入れません。ですから聞いていないと勘違いしてしまうのです。

直接言い聞かせるより、間接的に耳に入れる

逆にこの特徴を活かす方法もあります。子どもに直接言い聞かせる話をするよりも、間接的に耳に入れる方法です。すると、子どもの心に伝わり、行動することがあります。

例えば、頑固で親の言うことをいっさい聞かない夜ふかし型の兄がいたとき、妹に「早寝早起きすると翌日絶好調になるみたいよ」と兄が聞こえるところで話をすると、それを小耳にした兄はいつしか行動が変わることがあります。これを間接話法と筆者は名付けています。このように、直接言われるよりも、横で話をしていることのほうが気になるという人間の特徴を活かす方法があります。


以上、子どもが反抗するのは、単に反抗期だからという言葉で片付けられるものではなく、もしかしたら親が「イライラ期」に入っているだけなのかもしれないという話でした。もし、イライラ期であれば、5つの子どもの特徴を思い返してみてください。すると気持ちが少し変わってきます。

その結果、「子どもの話をよく聞く、否定しない、すぐに怒らない、子どもを信頼する、見守る」がやりやすくなっていくと思います。

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石田 勝紀 教育デザインラボ代表理事、教育評論家

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いしだ かつのり / Katsunori Ishida

1968年横浜生まれ。20歳で起業し、学習塾を創業。4000人以上の生徒に直接指導。講演会やセミナーを含め、5万人以上を指導。現在は「日本から 勉強が嫌いな子を1人残らずなくしたい」と、Mama Cafe、執筆、講演を精力的に行う。国際経営学修士(MBA)、教育学修士。著書に『子ども手帳』『子どもを叱り続ける人が知らない「5つの原則」』、『子どもの自己肯定感を高める10の魔法のことば』ほか多数。

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