なぜロジカルシンキングのアップデートが必要か 「そんなわかりきった一般論はいらない」の声

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4Pのフレームワークは昔から知られたもので、ある種の古典ともいえる。

しかし文学とは違って、ビジネスの現場において古典は価値あるものとして尊ばれず、代わり映えのない汎用品として扱われるようになってしまった。

ロジカルシンキングの新たな「思考の型」 

では、新たな「思考の型」とは、どのような姿をしているのだろうか? まず、思考の全体像を大きくざっくりと捉えたとき、それは「発見」と「論証」の二大局面に分けられる。

1. 発見(Discovery、ディスカバリー)

問いを立て、新たな知識・仮説を見つけ出す局面。何か主張の正しさを伝えようとする前に、「そもそも何を伝えたいのか?」「そこに意外性や面白さはあるか?」「既存の情報との差別化はどうなされるか?」といった問いに答えるための仮説の洞察が、この「発見」の局面においてなされる。

2. 論証(Proof、プルーフ)

発見した知識や仮説を、事実(ファクト)や論理的な手続きを使って正しいと示す局面。「発見」で洞察した仮説に対して、「なぜその仮説は正しいと言えるのか?」「どのような理屈によってそう考えたのか?」「具体的な根拠は何か?」といったことに、この「論証」の局面で答えていく。

そして、これら「発見」と「論証」の二大局面の上で、QADIの4つの頭文字が示す思考の型が相互に組み合って展開される。

Q:問い(Question、クエスチョン)

発見と論証の出発点となる〈問い〉を立てるための型。

問いの質が優れていれば思考の質は自ずと高まり、優れたアウトプットも生まれる。逆に、陳腐な問いは陳腐な考えをもたらし、そこから価値ある成果は期待できない。優れた発想を導く「論点(クエスチョン)設計の方法」を、ここで伝えていく。

A:仮説(Abduction、アブダクション)

立てた問いに対して、初期〈仮説〉を生み出すための型。

初期仮説はいわば植物の種であり、それが持つポテンシャルによって将来育ってくる樹木や果実の姿は大きく変わる。いかに、新規性・意外性のある仮説をはじめに創出できるか。このことを、「仮説形成(アブダクション)」の方法によって伝えていく。

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