頭痛を訴える40代女性「アレルギーが原因」の衝撃 「2人に1人がかかる国民病」の知られざるリアル

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ただ、「アレルギー」という言葉に思い当たるところはあった。20年近く前、疎遠だった父が蜂毒によるアレルギーで亡くなっていたのだ。浜辺へのドライブを楽しんでいたところ、窓から車内に飛び込んできた小さな1匹の蜂に首筋を刺されたのだという。驚きつつもハンドルを握り続けた彼は、みるみるうちに呼吸困難で運転ができなくなり、救急車で病院に運ばれるまでの間に亡くなった。

以来、娘であるマクフェイル氏は蜂の羽音や姿におびえるようになった。だが、それを除けば父のこと、そしてアレルギーのことを考える機会は年々減っていた。父の突然の死の知らせから20年近くが経ち、こうして自分自身がアレルギーの診断を受けるまでは。

全世界でのアレルギー有病率は30~40%

マクフェイル氏が同僚や友人たちにアレルギーの話をしてみると、思いがけず多くの反応があったという。ある人は花粉症に、ある人は湿疹に、ある人は喘息に長年悩まされ、ある人は子供が食物アレルギーを抱えていた。しかも、それらの話題の多くはマクフェイル氏にとって初耳だったという。

「まるで突如、自分の知る誰もかもが何らかのアレルギー性疾患を持っているとわかったかのようだった」と、彼女は著書『アレルギー:私たちの体は世界の激変についていけない』に綴っている。現時点で全世界でのアレルギー有病率は30〜40%だという。

たとえ症状が重篤なものでなくても、アレルギーの影響は日常生活に深く及ぶ。

日本でもなじみ深い花粉症を例にとれば、東京でのスギ花粉の飛散シーズンはゆうに3カ月を超える。事前にマスクや保湿ティッシュをまとめ買いし、花粉の時期には服装や髪型や化粧を変え、鼻詰まりでぼんやりする頭を抱えながら仕事に向かうという方も多いことだろう。

ちなみに筆者の場合、熱っぽさや鼻炎をはじめとする季節性の症状は11月に始まり、落ち着くのは春も終わりになってからだ。実に1年の半分近くにわたって不調を抱えていることになる。その間、講演や移動を伴う仕事に支障が出たり、副鼻腔炎を併発して喉の痛みや顔の圧迫感、猛烈な歯の痛みに苦しめられたりと、生活の質(QOL)は顕著に低下する。

昨年ついに手術に踏み切り、副鼻腔炎の重さや発症頻度は大幅に下がったが、鼻炎や目の痒みがなくなるわけではない。

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