結局、米国人は何を「決め手」に大統領を選ぶのか 選挙の相棒を「急進左派的」人物に決めた背景
このような批判は日本の主要メディアではほとんど出てきませんが、CNNの方でも「民主党の副大統領候補、ワルツ氏起用の裏にある計算 後悔の可能性も」と報じています。ここで書かれている「後悔」とは、シャピロ氏を選ばなかったことを後悔するのではないかというニュアンスです。
今、アメリカの有権者が求めているのは強さだと思いますし、ハリス氏とトランプ氏、どちらが強さで上回るのか注目されています。だからこそ、ワルツ氏が選ばれた経緯をネガティブに解釈され、クローズアップされると、不利に働いてしまうのではないかと考える向きもあります。一方で、ここで指摘しておきたいのは、従来はバイデン氏に対して有権者が抱いていた「年老いて」「弱々しい」といったイメージは、現在はハリス氏よりもトランプ氏に向けられ始めているということです。
スイングステートでの戦いが勝敗の分かれ目
先ほどペンシルベニアでどちらが勝利するかが選挙戦のカギだと書いたように、スイングステートと呼ばれる激戦州での戦いが勝負の分かれ目なっています。
今回スイングステートとされているのは、アリゾナ、ネバダ、ウィスコンシン、ジョージア、ミシガン、ペンシルベニア、ノースカロライナの7州です。
米紙ニューヨーク・タイムズとシエナ・カレッジが8月初旬に行った世論調査によると、ラストベルトの激戦3州(ウィスコンシン、ペンシルベニア、ミシガン)の投票に行くと答えた有権者の50%がハリス氏を支持し、トランプ氏の46%を上回ったとされています。
鉄鋼や自動車などの製造業を多く抱えるラストベルトでは、白人労働者層の票が重要になるため、彼らに訴えかけ、響くような政策とポジショニングの再定義をどう展開していくかが勝負を分けるとみられます。
トランプ氏、ハリス氏各陣営の掲げる政策を見ながら分析してみましょう。
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