3COINSが大型店で攻勢、全国で人気が広がる理由 「カワイイ」から実用性を追求した開発に転換

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着実に規模拡大を進めてきたスリーコインズだが、順風満帆だったわけではない。2018年頃には売上高が伸び悩み、出店も進まない曲がり角を迎えていた。

そこで2019年頃にかけ、商品開発から店舗での見せ方まで大幅に見直し、リブランディングを図ることになった。「かわいいといった感性を軸に訴えるより、商品の機能や実用性を打ち出して勝負しようと決めた」(澤井部長)。

以前は流行に沿った柄や色の雑貨を中心に展開するなど、20代前半の女性を想定した商品作りだった。しかし、自社アプリを通して顧客の属性データを集めると、主に30~40代女性に支持されていることがわかった。購入してよかった商品をSNSで投稿してくれる、拡散力の強い層だという。

2020年には食品のPB(自主企画商品)を投入し、新たに男性客も来店するようになった。食品は大型店ならではの商品群で「ごはんもん」「おかしもん」というブランドを展開する(記者撮影)

そこで、家事や育児に活用できるキッチン用品やキッズ関連の商品群を重点的に強化、商品はベージュやクリーム色のデザインに統一した。

シンプルな商品に合わせて、店舗も模様替えをしている。従来のライムグリーン、白、ピンクのポップなイメージから、壁の色は抹茶、床はコンクリートの色に近いグレーに変えた。什器も木製のものに切り替えるなど、落ち着いたトーンにしている。

中核事業に成長、円安を克服できる?

リブランディング以降は勢いを取り戻し、スリーコインズはプラスを中心に出店を進めてきた。

店舗数は2019年度の199店から2023年度に306店まで拡大。スリーコインズが中心の雑貨事業の売上高は2019年度の349億円から、2023年度には725億円まで拡大した。パルグループ全体の売上高の4割弱を占める中核事業になっている。

一方で、目下の課題は利益率の底上げだ。雑貨事業の部門利益は2019年度の23.2億円から、2021年度に41.7億円と伸ばしたが、昨今の円安の影響で、2023年度は19.8億円と半減してしまった。

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