【産業天気図・パルプ/紙】原燃料高が厳しく空模様は悪化懸念

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この夏、日本中の注目を浴びた王子製紙<3861.東証>による北越製紙<3865.東証>への敵対的TOB(株式公開買い付け)騒ぎは、北越側の抵抗で不成立に終わった。この過程で北越は、第三者割当増資300億円を引き受けて保有比率24.44%の筆頭株主となった三菱商事<8058.東証>の持ち分法適用会社となり、「TOB阻止」へ北越株8.85%を買い集めた日本製紙グループ本社とも提携していくことになるなど、業界地図は「王子vs反王子連合」の構図が従来より鮮明になった。
 日本製紙と北越は、両社で計85億円の利益押し上げ効果を狙う、としている。その数字の現実味という問題は措くとしても、本格的に両社の提携効果が出るのは北越の最新塗工紙設備N9マシンの稼働(08年11月)以降のことなので、今来期について、大きな影響はなさそうだ。
 足元の今期について見ると、懸念の原燃料高が想定以上に厳しい模様だ。業界の計画前提はドバイ原油でおおむね60ドル。足元は、ほぼその水準まで戻ったが、この夏は一時70ドルを超える場面もあり、各社、上期は苦戦がうかがわれた。春の洋紙値上げが目標の6~7割程度で終わったため、現在、秋需に向けて未達分の再値上げ交渉がなされているが、展望は厳しい。原燃料高と価格転嫁のタイムラグも勘案すると、下期、楽観は許されず、『会社四季報』としては今回の秋号で、大半の製紙会社について予想利益をやや引き下げた。
 来期は日本製紙、大王製紙<3880.東証>の塗工紙新鋭機が稼働を始め、需給が緩む恐れもある。さらに08年後半には、王子と北越の新設備も動き始める予定だ。4社とも同時並行で老朽機のスクラップなどを行うものの(北越は海外提携先でのスクラップを検討)、業界の空模様は当面、グズつき気味になりそうだ。
【内田史信記者】


(株)東洋経済新報社 会社四季報速報プラス編集部

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