再配達はなくなるか「ヤマトの置き配」期待と課題 酷暑でトラブル発生、ドライバーも試行錯誤

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ヤマトが置き配を導入したいちばんの狙いは「多くの受け取り方法の中から選択できるようにするため」(山﨑氏)。客に置き配で受け取ってほしいわけでもなく、一度で届けることを重視しているわけではないという。

とはいえ、ドライバーの負担軽減につながるかは気になるところ。荷物を受け取れなかった客の中には、再配達に罪悪感を持つ人もいる。ドライバー側も「もう少し早く来たら、届けられたかもしれない」となるケースも少なくない。今のところは置き配に対して好意的な声が多く、着実に届けやすくなった点はメリットと言えるだろう。

導入後に浮き彫りとなった改善点

ヤマトは今後、サービスの改善を進めていく方針だ。現在、利用者からは「複数の置き場所を指定したい」といった声が寄せられている。戸建てで玄関先のボックスを指定しても、荷物が満杯だと自転車のかごに置くといった対応ができず再配達になることがある。

ヤマト運輸の営業所では朝礼でヤマト体操を行っている。ドライバーは荷物の配達、集荷、営業など、工夫を凝らして業務に従事している
(撮影:尾形文繁)

またオートロックのマンションで玄関前を指定した場合、基本的には在宅していなければならない。ヤマトのドライバーは「101号室の客にオートロックを開けてもらって配達した場合、102号室など別の部屋の客にそのまま(エントランスからインターホンを鳴らさず)届けてはならない」というルールがあるからだ。

とはいえ現場のドライバーは、独自に工夫して置き配を進めているようだ。「オートロックのマンションでは、在宅の方に開けてもらって入れれば、ほかの部屋は不在でも置き配できるし、管理人さんにお願いして開けてもらうこともありうる」(都内のドライバー)。

ヤマトは法人と契約し、マンションのオートロックを解除して配達する仕組みも進めているが、オートロックのマンションで置き配の利便性を高めることは、重要な課題になりそうだ。

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