再配達はなくなるか「ヤマトの置き配」期待と課題 酷暑でトラブル発生、ドライバーも試行錯誤

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始まったばかりのサービスゆえに、現場には悩みもある。利用者が荷物の中身をよく確認せずに置き配を指定してしまうケースも多いのだ。

今の時期は桃などのフルーツ、食品の荷物も多い。夏場の気温で荷物の中身が傷んでしまうケースもあるようだ。ある営業所スタッフは「宅配ボックス内でスイカが破裂してしまったという事案があった。ドライバーも客に連絡して確認するが、どうしても置き配と言われることがある」と対応に苦慮する。

佐川も置き配サービスに追随

今後は置き配の周知を進めるべく、SNSやクロネコメンバーズの会員サイトなどで情報を発信していく。すでにテレビやYouTubeのCMでもアピールしている。「盗難などで不安がる方もいる。時間帯指定もして帰宅時間に合わせれば、荷物を置く時間を短くできる。具体的な利用シーンを示して、便利だと思っていただきたい」(ヤマト運輸個人輸送課の工藤洋平氏)。

近年は業界の人手不足、宅配ドライバーの苦労が注目され、政府も「物流革新に向けた政策パッケージ」で再配達削減の取り組みを掲げる。9月には佐川急便も追随し、宅配便の置き配サービスを開始する予定だ。

宅配の課題は消費者に密接にかかわる問題だ。荷物の中身には注意しつつ、各社の置き配サービスを積極的に利用していくべきだろう。

田邉 佳介 東洋経済 記者

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たなべ けいすけ / Keisuke Tanabe

2007年入社。流通業界や株式投資雑誌の編集部、モバイル、ネット、メディア、観光・ホテル、食品担当を経て、現在は物流や音楽業界を取材。

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