「手術or抗がん剤」医師はどうやって決めるのか 意思決定が「致命的なミス」になり得る外科医

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君はこれまで何度か試験を受けただろう。そしてこれからたくさんの試験を受けることになる。試験というのは孤独なものだ。自分だけが頼りで、誰にも相談できず、ちょっとした思い違いをしていても「勘違いしていますよ」と言ってくれる人はいない。

まるで強風の吹き荒ぶ中、穴だらけの道なき道を一人で歩いていくようなものだ。試験とは、こういう精神力もまた試されている。

君は一番の君の理解者だし、一番の味方だ

だが、ひとたび社会に出るとこのようなシーンはほとんどなくなる。君の人生における大切な選択は、50分以内とか90分以内に決める必要はなく、少なくとも数日は猶予がある。

基本的には誰にだって相談することができるし、ネットで検索して似たような人の似た悩みを見つけられるだろう。そういう風に見える。

でも、さらに逆説なのだけれど、本当に大事な選択は、誰にも相談せずに一人で決めるしかない、と僕は思っている。

たとえばどんな会社に入るか。どんな仕事をするか。どんな人と結婚するか。そして、どんな人間になるか。一度決めたらもう取り返しがつかないような選択は、なるべく自分一人で考え、自分がどうしたいかを厳しく自問自答し、決める。

そうしたほうがいい理由は、2つある。1つは、本当に君のことを考えて君にぴったりの選択を真剣に考えてくれるのは君だけだ、ということだ。

僕は君の親だから、なるべく君のことを理解したいししてきたつもりだ。それでも、親と子の関係というだけで、根本的には別の人間なのだ。一緒に暮らしても、一緒に寝ても、どれほどの愛で包んでも、僕は君のことを、君以上に理解することはできない。そのことを寂しく思うけれど、こればかりは仕方がない。

君は、一番の君の理解者だし、一番の味方なのだ。

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