思い立ったら行動するのみ。ニューヨークのありとあらゆる出版社にアポを入れました。それでも、返事は「NO」ばかり。書き直して、今度は10社にまたプレゼンに行くも再び全敗。「女子向けのコミックは作らないからいらない」「マンガ?何それ?」「こういうのは売れないからいらない」――。
批評をしてもらえば本当にネガティブなことばかり言われるし、拒絶され続けると知らないうちに「本当に自分はだめな人間なんだ」と考えるようになってきてしまうんですよね。でも、このままでは終わりたくない。
そのときに気が付いたんです。交渉相手がダメ出しをしているのは、私の「商品」であって、「私」じゃない!と。だったら、彼らの批判を真摯に受け止めて、商品に生かせばいいんじゃないかと、ポジティブに受け止めることにしたのです。
それからは、電話でアポを取るときから気持ちを入れ替えて話しました。とにかく根拠のない自信!を猛アピール(笑)。無理矢理にでも添削をお願いしたり、アメリカ人の子どもたちが共感できるようなキャラクター作りにも力を入れるようになりました。
私のマンガはアメリカのティーンたちが主役なので、実際に学校を訪問して彼らのライフスタイルを研究し、それを表現しました。また、キャラクターが全員白人にはせず、より多くの人が楽しめるように国際色豊かなキャラクターも登場させました。とにかく、リサーチに時間をかけて、ストーリーとマンガのスタイルをアップグレードさせたのです。
見方を変えれば心が楽になる
こうした努力の結果、2006年にデビュー。その後出版した私の自伝的恋愛マンガ”Rock and Roll Love”はなんと、ニューヨーク図書館が選ぶベストティーンズブックアワードにも選ばれました。
ですが、これでハッピーエンドではありません。次の作品ができたとき、出版社は見てくれるだろうか――。また自分との闘いが始まります。でも、これも自分で選んだ人生、納得するまで前進するしかないんです。「NO」と言われたって大丈夫!誰しも経験することだし、断られないことのほうが珍しいのですから。全てゴールに向かうまでの通過点。今失敗したことは糧となりビクトリーに導いてくれます。何より「自分という存在や人格が否定されているワケじゃない」と見方を変えれば、次の日から気持ちが楽になりますから。
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